TinyAMP TA-440 をエアロフォンで試してみた

意外と無かった充電式・アンプ内蔵小型スピーカー

浜松にある有限会社ハーモテックさんが、楽器用の小型充電式スピーカー TinyAMP TA-440 のクラウドファンディングを行っておられます。

もともとは、エレキギターに直接TinyAMP TA-440を差し込むことで、いつでもどこでも高音質にギター演奏を楽しむ事ができるという小型高音質アンプ内蔵スピーカなんです。

でもとあるエアロフォンユーザーから『これ、エアロフォンでも使えんじゃね??』と、フォーラムで話題になりましてね。今回実機をお貸しいただけましたので、実際にエアロフォンAE-10とAE-30に使ってみましたので、レビューしてみます。

TinyAMP TA-440

仕様

いたってシンプルなつくりと機能ですが、差し込みモノラルフォンプラグの取り付けなど、とても強靭に作られています。

小型スピーカーとはいえ、低音域から高音域までとてもきれいに鳴らしてくれるんです。あとで音を聴き比べてもらいますが、エアロフォンの内蔵スピーカーでは出ない豊かな低音を奏でてくれました。

・サイズ 149×55×44mm
・重量 100g
・直接プラグイン(Φ6.5mmプラグ)
・出力 4w

・USB充電式(USBmicroB端子)
十分は空状態からですと約90分 それで連続使用は約6時間

では実際にエアロフォンで使ってみますか

まず、web上でどう伝えればいいかと悩みましたが、単純にエアーでマイクで拾って録音することにしました。わたしは通常エアロフォンを録音する時はライン出力で録音しますけど、自宅での練習などでパラパラと気軽に吹く時は、エアロフォン内蔵スピーカーで鳴らします。そんな内蔵スピーカーでパラパラ吹いている時に、 TinyAMP TA-440を併用すれば良いんじゃないかなぁと思いましたので、そういう使い方での検証を行いますね。

検証録音方法

AE-10・AE-30ともに
■内蔵スピーカーのみ と
■内蔵スピーカー +  TinyAMP TA-440 併用   を、エアロフォン正面に立てたコンデンサーマイクで集音します。

※AE-10では正面側に向いた 内蔵スピーカー も1基ありますが、AE-30では正面側に向いたスピーカーが無いので、内蔵スピーカーだけだと小さめの録音となり、キーのカチャカチャ音の方が気になると思いますが、検証のため正面モノラルマイクのみで録音しましたのでご了承ください。

エアロフォンに TinyAMP TA-440 を取りつけた様子

実際に音を聞いてみましょう!!

AE-10とAE-30ともに、 TinyAMP TA-440を使った場合でも、 内蔵スピーカーとともに鳴るようにエアロフォンを設定して演奏します。(パラメータ Speaker Setting を ON に設定です)

また、 TinyAMP TA-440 は過度な信号入力があると保護回路が働き、自動で電源がOFFになりますので、エアロフォン本体のスピーカーアウトプットボリュームは2~3程度で十分な効果が得られます。

視聴ファイルの音量に注意してください

以下の音声ファイルは

①エアロフォンの内蔵スピーカーのみで
②続いて内蔵スピーカー+ TinyAMP TA-440


後者(②内蔵スピーカー+ TinyAMP TA-440)では音量が倍近くになりますので、ファイルの最初( 内蔵スピーカーのみ )のところで、聞こえにくい…と音量を上げすぎないように注意してください!! 

なお視聴ファイルはノイマン TLM-102 モノラルで録音しています。
オーディオインターフェイス内蔵マイクプリのみの素録音です。

サンプル エアー録音 (マイクを立ててモノラルで録音)

AE-10 アルトサックス

AE-10 テナーサックス

AE-10 バイオリン

AE-10 チェロ

AE-30 サックス
(AE-30では内蔵マイクが上部自分方向のみなので、エアー録音では音源の音よりもカチャカチャ音のほうが気になりますね…、 TinyAMP TA-440も鳴らすとマイク方向(前方)にもよく聞こえます)

AE-30 AEハードリード

TinyAMP TA-440を併用すると、中音域から低音域が補強されますね

どの音色でも、中音域から低音域がよりクリアに鳴ることで、音に温かみと迫力がでますね。
実際にEQを見てみますと

上図のように内蔵小口径スピーカーだけですと、中音域が痩せ気味のため全体的にシャカシャカした印象になってしまいますが、下図、TinyAMP TA-440と内蔵スピーカーを併用することで、低音域から高音域までバランス良くなっているのがわかります。
 エアロフォンの内蔵スピーカーが悪いというわけではなくて、本体にスピーカー内蔵することでどうしても小口径スピーカーとなるためです(ヘッドフォンをつけずに演奏する際の奏者へのモニタースピーカーの役目) TinyAMP TA-440のスピーカーはそれよりもだいぶん大きいのと、 TinyAMP TA-440自体に共鳴胴容積が確保されていることで中音・低音がより響き、内蔵スピーカーと併用することでモニター用途+周りの人にも低音から高音までバランスの良い音質で演奏を届けることができますね。


エアロフォンAE-10・AE-30のステレオ出力に対して、TinyAMP TA-440のプラグは標準モノラルフォンプラグなので、ご心配の方もおられるようですが、エアロフォンの内蔵スピーカーと併用することでリバーブなどの広がりは内蔵スピーカーで再現され、問題なく演奏できましたよ。

個人的にまとめ

内蔵スピーカーと TinyAMP TA-440を挿しただけで、バリトンサックスなどのブリブリ感や低音楽器の輪郭がはっきりくっきりすることと、中音域がフクヨカになることも驚きましたが、特に弦楽器、バイオリン・チェロ・二胡などなどと相性が良く、内蔵スピーカーだけよりも格段にスーパーナチュラルサウンドの繊細さが増しました。


個人的にエアロフォンでの新感覚だったのは、低音域を吹くと TinyAMP TA-440のスピーカーの振動がエアロフォン本体に伝わってくるので、普通のサックスと同じように低音域ではエアロフォン本体がビリビリ振動して『低音吹いてる感』があり、とても気持ちよくなりました笑


ドライブスイッチを入れると、少し歪んだ音質が再現されますが、エアロフォンの場合は音色によっては少し歪みすぎてしまう感じはありました(まあ、ギターに向けた機能ではありますからね)、ただシンセ系・ギター系の音色など、ドライブと相性のいい音が色々とありました(録音してなくてすみません汗)


少し注意が必要な点としては、上で書いたようにTinyAMP TA-440 は過度な信号入力があると保護回路が働き、自動で電源がOFFなるという保護機能を発動させないために、エアロフォンのマスターボリュームを有る程度小さめに抑える必要があります。 TinyAMP TA-440を接続する場合はマスターボリームを3程度にするか、トーンボリューム自体を小さめに設定した『TinyAMP TA-440使用時ユーザートーン』をユーザー領域などに予め保存しておくと良いかもですね。


TinyAMP TA-440クラウドファンディングページ(Makuake)

有限会社ハーモテック・サイト

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