Roland Aerophone
『Brisa』
実機レビュー & デモ演奏
してみた

フルート初心者の壁を"30分"で乗り越えられた理由

第1章 プロローグ:あの日の悔しさを、歓喜の音色へ

いやー、皆さん、一度は憧れません? あのフルートの美しい音色。私の場合はすこし特殊な状況でフルートを吹かねばならなくなりまして・・というのも、とあるTV番組の収録曲の譜面が手元に届いたときにフルートの譜面が・・・・ 『げげっっ』20代で一度挫折したフルートを引っ張り出してきて、その日から2週間で、なんとかしなければならない状況に追い込まれました汗

再出発してみたものの、やはり、現実は甘くない! サックスで作り上げたアンブシュアなんて、フルートの前では全くの無力。そもそも音を出すこと自体が、もう至難の業なんですよね。やっと「ポー…」って鳴ったと思ったら、次の瞬間にはオクターブがひっくり返って「ヒーッ!」みたいな(笑)。あの練習スタジオでの無力感、今でも思い出しますよ。本当に、心が折れかけました。

私がこの記事で、やたらと「フルート音色」にこだわるのには、そういう個人的な背景があるんです。このBrisaの見た目が、未来的でカッコいいフルート型電子管楽器だってのもありますけど、それ以上に「フルートをもっともっと自由に吹きたい」っていう長年の夢があったからなんですよね。もちろん、ローランドさんのことですから、シンセ系の音や他の管楽器の音も、これまでのAerophoneシリーズで証明済みの超ハイクオリティなのが入ってるのは、言わずもがな。でも、このBrisaが本当にヤバいのは、私がぶち当たった、あの分厚い「フルートの壁」を、まるで魔法みたいに消し去ってくれることなんです!

【先に結論から言っちゃいます!】

もしあなたが、昔の私みたいに「フルート、ムズすぎ…」って挫折した経験があるなら、もう断言します。このAerophone Brisaは、そんな私達のための、最高の「近道」です。本物のフルートより圧倒的にとっつきやすいのに、出てくるサウンドは息を呑むほどリアルで美しい。もはやこれは、私らの音楽表現の可能性を、何の苦労もなく一気に広げてくれる「魔法の杖」なんですよ!もちろん、これからなにか楽器を始めてみたいという人や、別の楽器との持ち替え楽器を検討している人にもお勧めです!!

というわけで、この記事では初代Aerophoneから全シリーズを吹き倒してきたサックス吹きの私が、このBrisaがいかに画期的な楽器なのか、その真価を余すことなく、アツく語っていこうと思います!

エアロフォンブリサの画像
エアロフォンブリサの画像

この未来的デザイン、たまりませんよね

第2章 ファーストコンタクト:開封の儀から、もう最高!

2.1 テンション上がる!

Brisa専用ケースを開けた瞬間、まず「おっ!」と声が出ました。もうこの時点でワクワクが止まりませんでしたね。

エアロフォンブリサの画像

必要なものは全部入り。まさに至れり尽くせり

2.2 本体を手に取ると…「軽っ!でも、安っぽくない!」

本体をケースから取り出して、まず驚いたのがその軽さ、415gしかありません。でも、ただ軽いだけじゃないんです。パールがかった上品な色のボディは、手に吸い付くようにフィットして、所有欲をしっかり満してくれます。そして、私が地味に「さすがローランド!」と唸ったのが、この有機ELディスプレイ。小さいのに、めちゃくちゃ見やすい。暗いステージの上でも、今どの音色を選んでるか一発でわかる。こういうプレイヤー目線の細かい配慮が、本当に嬉しいんですよね。

この質感、伝わりますかね?

エアロフォンブリサの画像


エアロフォンブリサの画像
エアロフォンブリサの画像

第3章 奇跡は、本当に30分で起きた

3.1 あのトラウマが、歓喜に変わった瞬間

さあ、いよいよ音出しです。正直、ちょっとどんな音が出るのか想像もできませんでした。おそるおそる息を吹き込んだ、その瞬間でした。「フッ…」という息の音と共に、信じられないくらいリアルなフルートの音が鳴ったんです。私が一番感動したのは、ゆっくり息を入れた音の立ち上がりで「息のカスレ具合」まで完璧に再現されてたこと。新開発のデュアル・ブレス・センサー、マジで半端ないです。正直、AE-20や30のフルートも優秀でしたけど、Brisaは次元が違いますね。「音の出だしの息のノイズ感」と「息の強弱に対する音色の追従性」、これがもう、本物なんです。強く吹けばパーンと芯のある音が出るし、弱くすれば消え入りそうな繊細なトーンになる。かつてあれだけ苦労した高音域のフレーズも、嘘みたいに簡単に出る。『当たり前』だけど音程は完璧! ピッチを合わせることに、神経質にならなくて済むのは、ほんとうにほんとうに楽ちん笑
気づいたら、夢中で吹き続けて30分。長年のフルート・コンプレックスが、完全に歓喜に変わっていました。

Aerophone Brisa フルート音色デモ:Bossa Nova

3.2 もはや、身体の一部。驚異の演奏性

Brisaのヤバさは音源だけじゃないんですよ。演奏者の動きそのものを音楽に変えてくれるんですから。例えば、モーション・センサー。本体を傾ける角度によって、めちゃくちゃ自然なビブラートがかかるように設定できる。身体の動きと音が見事にシンクロするこの感覚、一度味わうと本当に病みつきになりますよ。さらに、唄口と本体の接合部分が回転することで、口と唄口の角度を自分好みに変えられたり、S1/S2キーに好きな機能を割り当てられたり、どこまでも自分仕様にカスタマイズできる。まさに「自分好みに設定することができる楽器」ですね。

Aerophone Brisaで奏でる『君をのせて』(フルート音色デモ)

第4章 Aerophoneシリーズにおける、Brisaという名の新しい『風』

ここで、BrisaのAerophoneシリーズでの位置付けを整理しておきましょうか。歴代エアロフォンシリーズ、たとえば「AE-20とどっちがいいの?」って疑問がわくとおもいますが、これまでのAEシリーズと新機種Brisaでは、そもそも土俵が違うと思います。BrisaはAE-20や30の後継機とか上位機種じゃなくて、全く新しいコンセプトから生まれた、いわば「Aerophoneファミリーの新しい選択肢」なんです。

これまでのAEシリーズって「サックス」がベースでしたよね。デザインも運指も。でもBrisaは、見た目もキー配列も完全に「フルート」。でも、そこは電子楽器のすごいところで、サックス運指に慣れた人もすんなりと入りやすいBrisa運指モードがちゃんとあるから、サックス吹きの方もわりとすんなりと始められるわけです。

サックスのキー配列でゴリゴリのシンセサウンドを鳴らしたり、各音色のリアルな演奏感を追求するなら、AE-20/30はこれからも最高の選択肢なのは間違いありません。でも、もしあなたが「近未来的デザインのアコースティック・フルートの見た目と表現力」手に入れたいなら、Brisaを手にすることで、そこからさらにすばらしい音楽生活が広がっていくでしょう。。しかも、ちゃんと使えるシンセ音色もたくさん入ってるのがミソ。初めてAerophoneに触れる人には最高の入り口になるし、既存AEユーザーにとっても、自分の音楽に「極上のフルート」っていう新しい色彩を加えられる、またとないチャンスってことですね!

実践コラム:Brisaを120%楽しむための、私なりの裏技!? 【設定 攻略】

コラム記事一覧(全24項目)

【コラム①】挫折しないための第一歩! Brisa基本の練習ルーティン

Aerophone Brisaを手に入れたら、何を練習すればよいのでしょうか? 楽器の経験を問わず、Brisaの性能を引き出すために効果的な「基本の練習」をご紹介します。

練習1:まずは「ドレミファソ」から。運指を覚えよう! 何よりもまず、音の出し方と指使いに慣れることが大切です。Brisaはリコーダーに近い「Brisa運指」が初期設定になっています。付属の『クイック・スタート』には、「ドレミファソ」の運指表と簡単な楽譜が掲載されています。

まずはこの5つの音を、アプリの「Fingering」機能(コラム㉒参照)で確認しながら、一つ一つの音を確実に出す練習から始めましょう。

練習2:Brisaの命! 「ブレス・コントロール」を極める Brisaは「息」で表現する楽器です。以下の2つの練習で、息のコントロールをマスターしましょう。

  • ロングトーン(音を長く伸ばす)練習: 吹き始めから終わりまで「一定の音量」でまっすぐ音を伸ばす練習をします。
  • ダイナミクス(強弱)練習: 息の強弱だけで「p」から「f」へ、そしてまた「p」へと滑らかに変化させる練習(クレッシェンド・デクレッシェンド)をします。

もし「息の強さに対して音が敏感すぎる(または鈍すぎる)」と感じたら、メニューの「Breath Curve」(息の感度)の設定を見直してみましょう。自分に合った設定を見つけることが上達への一番の近道です。

練習3:オクターブ・キィに慣れよう 「ドレミファソ」に慣れたら、次はオクターブ・キィ(左手親指)を使った音域の移動です。『クイック・スタート』には、オクターブ・キィを使う練習曲(『新世界より』)が載っています。低い音と高い音をスムーズに行き来できるよう、指の連携を練習しましょう。

【コラム②】もっと「管楽器らしく」吹くために!アタックと表現力の練習法

基本的な運指とブレスに慣れたら、次はもっと「管楽器らしい」表現力を身につける練習に進みましょう。

練習1:「タンギング」で音の輪郭をハッキリさせる 「トゥ、トゥ、トゥ」と発音する要領で、舌先で息を「突く」感覚を掴みましょう。Brisaはタンギングの強弱も検知して、音のアタック感を変えることができます(MIDI Tx Velocity: Tongued設定時)。メトロノームに合わせて、まずは「ド、ド、ド、ド」と同じ音をタンギングで区切る練習をしてみてください。これだけで演奏が格段に引き締まります。

練習2:ボタンやセンサーを使った「表現」を練習する Brisaには、指やモーションで音色を変化させる機能が満載です(コラム⑬、⑯参照)。例えば、アルトサックスの音色を選んだら、サム・ボタン(親指)に割り当てられた「グロール」や「ベンド・ダウン」を使ってみましょう。ただ音を並べるだけでなく、「どの音でボタンを押すか」「どの音で本体を傾けてビブラートをかけるか」を決めながら練習すると、演奏の表現力が一気に豊かになります。

練習3:最強の練習法は「カラオケ」! 最も楽しく、効果的な練習は、好きな曲のカラオケ音源に合わせて演奏することです。コラム⑳で紹介したように、USBケーブルでPCやスマホと接続すれば、カラオケ音源と自分の演奏をヘッドホンで完璧にミックスして練習できます。お手本となるメロディを聴き、それに合わせて運指、ブレス、タンギング、そしてヴィブラートなどの表現をコピーする。これが、Brisaを最速でマスターする秘訣ですよ!

【コラム③】挫折しない!Brisaフルート習得術 (サックス奏者 持ち替え対応)

習得術 1:Brisa運指モードで、表現力を極めろ! 「フルート運指、また覚えるのか…」って思いますよね?わかります。だから、迷わずBrisa運指モードを選びましょう! 新しい指使いのストレスから解放されると、Brisaの本当の凄さ、つまり「息への追従性」に100%集中できるんです。繊細なpppから唸るようなフォルテまで、心ゆくまで音色をコントロールする快感を味わってください。「俺、こんなにフルート上手かったっけ!?」っていう錯覚が(笑)、最高のモチベーションになりますから。

習得術 2:邪道上等!『ガブッ』と咥えて安定させろ! 本物のフルートって、構えを安定させる"支持"がまず大変じゃないですか。Brisaなら、そんな悩みは一瞬で解決です。ちょっと行儀悪く聞こえるかもですが、唄口を『ガブッ』と(笑)軽く咥えちゃうんです。これだけで楽器が信じられないくらい安定して、指の動きに集中できる。アコースティックでは絶対できない、この裏技。この安定感こそが、上達への最短ルートだと私は思いますね。

【コラム④】運指モードを攻略せよ!個人的おすすめはBrisaモード!

運指モードの種類 Aerophone BrisaのFingering Mode(運指モード)には、

  • Brisa: Aerophone Brisaオリジナルの運指。サックスやリコーダーに慣れている人になじみやすい。
  • Flute: フルートと同じ運指。
  • Trumpet: トランペットのように演奏できる運指。
  • Left: 左手だけで演奏できる運指。
  • Right: 右手だけで演奏できる運指。

の5種類が設定可能です。

サックス吹きには「Brisaモード」を強く推奨! 私がBrisaモードを使う理由は、その運指がサックスやリコーダーに近くて直感的だから。唄口への息の吹き込みだけで、面倒なオクターブ切り替えを気にせず演奏できます。左手親指のキーがオクターブキーとして機能するのもサックス的で◎。サックス吹きや他木管楽器経験者、これからBrisaを始める方には、まずはこのモードが一番の近道です!フルート奏者の方も「Brisaは電子フルート」と割り切って、この演奏性の高さを利用するのも大いにアリだと思いますよ。

Fluteモードを使う際の注意点 Fluteモードは、アコースティック・フルートと同じ運指で演奏できますが、唄口の吹き込み方に特殊な練習が必要です。
* 低音域では上下両方の穴に息を入れ(口の形は「お」)
* 中音域・高音域では下の穴をふさぎ、上の穴にだけ息を入れます(口の形は「う」)。

【※細かい設定も可能 → 【コラム⑯】「Harmonics設定」で完全カスタマイズ】

このモードでは、本体裏側の左手親指キィはオクターブ切り替えではなく、演奏キィ(ブリチアルディ・キィとBキィ)として動作します。

※ブリチアルディ・キィ(Briccialdi key)とは、主にアコースティック・フルートで「シ♭(B♭)」の音を簡単に出すために使われるキィのことです。Aerophone Brisaで「Flute(フルート)運指モード」を選択した場合、本体裏側にある左手親指で操作するオクターブ・キィが、このアコースティック・フルートの「ブリチアルディ・キィ」および「Bキィ」として動作するよう切り替わります。

【コラム⑤】息づかいが命!Brisaのブレス設定を攻略せよ! (デュアル・ブレス・センサー対応)

Aerophone Brisaの大きな魅力は、アコースティック楽器のように「息へ追従する」表現力です。でも、「なんだかイメージ通りに音が出ない」「もっと繊細な表現がしたい」と感じていませんか?それは、あなたの息づかいと本体の設定がまだマッチしていないだけかもしれません。Brisaは、あなたの「息」に合わせて細かくカスタマイズできるんです!

攻略術1:まずは「Breath Curve」で感度を知る! Brisaには、息の強さに対して音がどう反応するか(プレス感度)を設定する「Breath Curve」(ブレス・カーブ)という項目があります。

  • 値を小さくする(例: 1): 弱い息でも大きな音が出やすくなります。肺活量に自信がない方や、楽に演奏したい方におすすめです。
  • 値を大きくする(例: 10): 強く吹かないと大きな音が出なくなります。その分、pppからfffまでのダイナミクス(強弱)の幅を広く使いたい、表現力重視の方におすすめです。

まずは初期設定から値を上下させて、自分が一番コントロールしやすい感度を見つけてみてください。

攻略術2:「Breath Offset」で“鳴り始め”を調整! 次に試してほしいのが、「Breath Offset」(ブレス・オフセット)です。これは、どれくらいの息の強さで音が鳴り始めるかを調整する設定です。

  • 値を小さくする: ほんの少しの息でも音が鳴り始めます。ゴーストノートのような繊細な表現がしやすくなります。
  • 値を大きくする: ある程度しっかり息を吹き込まないと音が鳴り始めません。タンギングのアタック感をはっきりさせたい時や、息のノイズだけを入れたい場面でのコントロールがしやすくなります。

この2つの設定を追い込むだけで、Brisaは驚くほどあなたに寄り添う「自分だけの楽器」に育っていきますよ!

【コラム⑥】Brisaは"揺らせる"! モーション・センサーで生み出す、魂のヴィブラート

管楽器や弦楽器の演奏において、音に感情的な深みと「揺らぎ」を与える表現、それがヴィブラートです。Aerophone Brisaは、このヴィブラートを息づかいだけでなく、本体の「モーション・センサー」を使って直感的にコントロールすることができます。この機能を使えば、あなたの演奏表現はさらに生々しく、感情豊かなものになりますよ!

攻略術1:【角度】でヴィブラートの「深さ」を操る! 「Concert Flute」や「Alto Sax」、「Violin」など、多くの音色で「Motion Tilt」(本体の上下の傾き)の機能に「Vibrato Depth」(ビブラートの深さ)が割り当てられています。

  • 水平に近い状態: ヴィブラートがかからない、または浅くかかる。
  • 本体の先端を上に持ち上げる: 傾ける角度が大きくなるにつれて、ヴィブラートがだんだん深くなっていく。

これにより、まっすぐな音から、音を伸ばしながら徐々に感情を込めてヴィブラートを深くしていく…といった、アコースティック楽器さながらの繊細な表現が可能になります。

【コラム⑦】Brisaを“振って”操る! モーション・センサー活用術

Brisaの演奏表現は、息や指だけではありません。本体の「モーション・センサー」を使うことで、楽器の「動き」で音色をコントロールするという、デジタル楽器ならではのダイナミックな演奏が可能です。

攻略術1:「Tilt(ティルト)」と「Roll(ロール)」を使い分けろ! モーション・センサーには2種類の検知方法があります。

  • Tilt (ティルト): 本体の先端(足部側)を上下に動かすことで演奏を制御します。
  • Roll (ロール): 本体の中心を軸として、手前または奥側へ回転させるように傾けることで演奏を制御します。

攻略術2:シンセ音色の「飛び道具」として活用! TiltやRollに、シンセ音色の「Filter Cutoff」(音色の明るさ)や「Portamento」(音程の滑らかさ)を割り当てると、本体を動かすだけで劇的な音色変化や演奏効果が得られます。特にシンセ・リードやギターの音色で試してみてください。

攻略術3:親指ボタンとの組み合わせ モーション・センサーの機能を、常にオンにするのではなく、サム・ボタン(親指キィ)を押している間だけ有効になるように設定(アサイン)することも可能です。これにより、必要な時だけモーション・コントロールを使い、普段は安定した演奏を保つという使い分けができます。

【コラム⑧】Brisaの心臓部! 100種類のプリセット・トーンを遊び尽くせ!

Aerophone Brisaは、発売時点でなんと100種類ものプリセット・トーン(内蔵音色)を搭載しています。これは、同クラスの他社製品と比較しても圧倒的な数です。これらの音色を遊び尽くすことが、Brisaを楽しむ最大のポイントです!

音色のカテゴリ分類を知る 100種類の音色は、以下の主要なカテゴリに分類されています。

  • サックス・リード(Alto Sax, Tenor Saxなど): ブレスコントロールによる表現力が抜群です。
  • フルート・木管(Flute, Clarinetなど): Brisaのメインとなる音色 繊細な息づかいが求められる音色。
  • 金管楽器(Trumpet, Tromboneなど): 迫力ある音色。タンギングでアタック感を調整します。
  • シンセサイザー(Synth Lead, Padなど): 電子楽器ならではの幻想的な音色やリードトーン。
  • 民族楽器(Shakuhachi, Bagpipeなど): 一風変わった音色で演奏してみましょう。歴代エアロフォンでも人気の尺八や二胡もあります!
  • 弦楽器 : フルートの見た目でバイオリン音色やチェロの名曲も奏でることができますよ。
  • その他 : オルガン・打楽器・歴代から人気の La Seine や Jazz scat マリンバ シロホン 打楽器などなど盛りだくさん

Synth系もおすすめ! 憧れのウインドシンセの定番曲もBrisaで演奏できちゃいますよ!!

ランダムにトーンを試すのも楽しい 飽きてきたら、メニューの「Tone」でトーン番号をランダムに変えて、普段選ばないような音色を試してみましょう。思わぬ発見があり、新しい演奏スタイルやジャンルへの挑戦につながりますよ!

【コラム⑨】音色は「育てる」もの。ユーザー・トーンで自分だけのサウンドを創ろう!

100種類のプリセット・トーンだけでも十分楽しめますが、Aerophone Brisaの真価は、その音色を「自分好みにカスタマイズできる」点にあります。この「ユーザー・トーン」機能こそ、Brisaを真のマイ楽器にするための必須テクニックです。

トーン・エディットの基本 Brisaの音色は、本体のメニュー内からできることと、より詳細に設定するにはエディターアプリのメニュー「Tone Edit」から以下の項目などを変更できます。

  • Filter(フィルター): 音色の明るさや暗さを調整します。
  • Envelope(エンベロープ): 音の立ち上がりや減衰(時間の経過による変化)を設定します。
  • Effects(エフェクト): リバーブ(残響)やディレイ(やまびこ)の深さを調整します。

  • ※本体のPro MenuにあるTone Editで編集できるのは、主に以下の項目です。
  • Tone Level (音量)
  • Effect Type/Level (エフェクトの種類と深さ)
  • Tone Transpose (移調)
  • Tone Octave Shift (オクターブ・シフト)
  • Harmony/Drone
  • Intelligent Harmony
  • Tone Assign (コントローラー・アサイン)


  • 📱 アプリでできる音色編集(Setting) アプリ「Aerophone Brisa Plus」のSetting機能では、本体ではアクセスできない、より詳細な音色の作り込み(Filter、Envelopeなど)や、本体の挙動に関するシステム設定の変更を行うことができます。

「ユーザー・トーン」への保存 プリセット・トーンをカスタマイズした後、メニューの「Save User Tone」で保存すれば、それがあなただけの「ユーザー・トーン」として記憶されます。お気に入りのトーンをベースに、リバーブを深くしたり、音色を少し丸くしたりするだけで、あなたの演奏にフィットする特別なサウンドが生まれます。

コラム⑤のブレス設定と連携させる コラム⑤で解説した「Breath Curve」や「Breath Offset」の設定は、実はトーンごとに記憶されます。つまり、「激しく吹きたいサックス」と「繊細に吹きたいフルート」で、息の感度を別々に設定して保存できるのです。この連携こそが、Brisaの「ユーザー・トーン」が持つ最高のカスタマイズ性です。

【コラム⑩】そんな事もできるんだ!?「アサイン機能」をつかいこなそう!

Aerophone Brisaの演奏性を飛躍的に高めるのが、「Control Assign」(コントロール・アサイン)機能です。これは、本体の物理的な操作子(キィやボタン、モーション・センサーなど)に、様々な音色の変化(パラメーター)を割り当てる機能です。

アサインできる操作子の例

  • Thumb Switch(親指キィ): 本体裏側の親指で操作する2つのボタン。
  • Motion(モーション): 本体を振る動き(コラム⑥、⑦参照)。
  • Expression(エクスプレッション): 息の強さ。

アサインできるパラメーターの例

  • Pitch Bend(ピッチ・ベンド): 音程を上下させる。
  • Filter Cutoff(フィルター・カットオフ): 音色を暗く/明るく変化させる。
  • Growl(グロール): サックス特有の唸るような効果を付与する。

おすすめのアサイン例:親指キィに「グロール」 サックス系の音色を選ぶ際、背面にある親指キィ(Thumb Switch)の一つに「Growl」を割り当てるのがおすすめです。ジャズやフュージョンで、音を伸ばしながらグロールをON/OFFすることで、一気に本格的なリード楽器のニュアンスが生まれます。アサインの設定はユーザー・トーンごとに保存できますので、音色と一緒にカスタムしておきましょう!

【コラム⑪】音色選びのワザ?トーン・リスト詳細版から「アサイン」を読み解く!

Brisaのトーン・リスト(音色一覧・公式サイトからダウンロードできます)は、単なる名前の羅列ではありません。ここには、その音色の「演奏性」に関する重要な情報が詰め込まれています。トーン・リストの詳細版を読み解くことが、その音色を最大限に活かすワザにつながります。

「アサイン」とは これは、[S1][S2]ボタン、サム・ボタン、そしてモーション・センサー(Tilt/Roll)に、どんな機能が割り当てられているかを示すものです。

トーン・リストから読み解けるアサイン例

  • Concert Flute: Motion Tilt(本体の上下)に「Vibrato Depth(ビブラートの深さ)」が割り当てられています。
  • Tenor Sax: Thumb(右手の親指ボタン)に「Growl(グロール奏法)」が割り当てられています。親指一つで、あの「唸るような」サックスの音が出せます。
  • Trumpet: Thumbに「Bend Down(ベンド・ダウン)」が割り当てられています。ジャズの「フォール」のような表現が可能です。
  • Shakuhachi 2(尺八): Motion Roll(本体の回転)に「Pitch(ピッチ)」が割り当てられています。本体をひねる動作が、尺八の「メリ」に対応。

音色を選んだら、まずはトーン・リストで「どんな機能が割り当てられているか」を確認し、そのボタンやモーションを試してみる。これが、Brisaの多彩な音色のポテンシャルを最大限に引き出すための「ワザ」ですよ!

【コラム⑫】ライブ派必見!フェイバリット機能で音色チェンジを制覇せよ!

Brisaには魅力的な音色がたくさん搭載されていますが、「演奏中に次の音色を探して焦った…」なんて経験はありませんか?そんな悩みを一発で解決してくれるのが「フェイバリット(FAVORITE)」機能です!

攻略術1:「フェイバリット」で何ができる? これは、よく使うトーン(音色)をあらかじめ登録しておき、演奏キィを使って一瞬で呼び出すことができる機能です。登録できるのは、1バンクあたり12個。そして、バンクはなんと5つも用意されています(合計60音色!)。これだけあれば、どんなライブセットにも対応できますね。

攻略術2:登録はアプリ「Aerophone Brisa Plus」が断然おすすめ! フェイバリットの登録はBrisa本体でも可能ですが、スマートフォンアプリの「Aerophone Brisa Plus」を使えば、視覚的に、かつ圧倒的に簡単に行えます。

  • アプリの「Favorite」画面を開きます。
  • 登録したい場所(1〜12)のボタンを長押しします。
  • トーン・リストが表示されるので、登録したい音色を選んで「OK」をタップするだけ!

たったこれだけで、お気に入りの音色が瞬時に呼び出せるようになります。

攻略術3:おすすめバンク活用術 5つもあるバンクをどう使うか。それがプロへの近道です。

  • バンク1: 今日のライブの曲順通りに音色を並べる。
  • バンク2: ジャズ用のお気に入り音色集(サックス、トランペット、フルートなど)。
  • バンク3: クラシック・民族楽器用音色集(ヴァイオリン、尺八、パンフルートなど)。
  • バンク4: シンセサイザー専用バンク。
  • バンク5: 飛び道具・効果音(SFX)バンク。

フェイバリット機能を制覇して、スマートな音色チェンジで聴衆を魅了しましょう!

【コラム⑬】バンドマン必見!Brisaでライブの「美味しいトコ」を全部持っていく方法

ボサノバで、バンドサウンドに新たな彩りを: サックス奏者が憧れるジャンルの一つ、ボサノバ。あの気だるくも美しいフルートの音色は、まさに華ですよね。Brisaがあれば、その「華」をいとも簡単に、しかも驚くほど本格的なサウンドでバンドに加えられるんです。いつものジャズコンボの演奏に、Brisaが奏でる涼やかな音色が加わる瞬間を想像してみてください。バンド全体のサウンドがグッと洗練され、表現の幅が格段に広がるはずです。「あのバンド、フルートもいけるんだ」とお客さんや共演者に思わせる、最高にクールなサプライズ。あなたのバンドの新しい武器になること間違いなしです。

シンセソロで、オーディエンスの度肝を抜く: Brisaのルックスは、ステージ映えも抜群.美しいフルートでうっとりさせた後の曲で、いきなりBrisaからブリブリのシンセリードソロが炸裂したら…? 「今の音、あの楽器から!?」っていうオーディエンスの驚き。このギャップこそ、Brisaだからできる最高のエンターテイメントなんですよ。さらに、モーションセンサー(コラム⑦参照)で音色を激しく揺らせば、視覚的にも聴覚的にもインパクトは絶大です!

【コラム⑭】一人でアンサンブル!「ハーモニー&ドローン」機能の深層

Brisaには、あなたの演奏を瞬時に豪華にするための強力な武器、「ハーモニー機能」と「ドローン機能」が搭載されています。これらはPro Menuの「Tone Edit」で設定できます。

攻略術1:自動ハモリで重厚サウンド「Intelligent Harmony」 「Harmony/Drone」設定を「Harmony」にし、「Intelligent Harmony」でハモリの度数(例:3rd above=3度上、5th below=5度下など)を選びます。あとは、アサイン機能でいずれかのボタン(例:サム・ボタン)に「Harmony/Drone Sw」を割り当てましょう。

演奏中にそのボタンを押すだけで、あなたのメロディラインに対し、設定した度数のハモリ音が自動で追従します! 一瞬でツインリードのような厚みが得られますよ。

攻略術2:持続音を鳴らす「ドローン(Drone)」奏法 「Harmony/Drone」設定を「Drone」に切り替えてみましょう。使い方はユニークです。「Harmony/Drone Sw」を割り当てたボタンを押しながら何か音を鳴らし、その音が鳴っている間にボタンを離します。すると、最後に鳴らした音がそのまま鳴り続けます。

この持続音(ドローン)の上で、別のメロディを重ねて演奏することができるのです。尺八やバグパイプ、シンセサイザーの音色でこの機能を使えば、一人でも非常に幻想的で壮大な演奏が可能になります。

【コラム⑮】Brisaでビートを刻め! ドラムキット&パーカッション活用術

Aerophone Brisaはメロディ楽器だと思っていませんか? 実は、Brisaは息でコントロールできるユニークな「リズムマシン」にもなるんです。トーン・リストの「Other」カテゴリーの中には、「Drum Kit 1」「Drum Kit 2」「Latin Perc Set」といった音色が搭載されています。

攻略術1:キィを押して音を出す「Hold Mode」 これらの音色は、演奏キィの一つ一つに異なる打楽器が割り当てられています。そのまま息で演奏することもできますが、メニュー設定の「Hold Mode」を「On」にするのがおすすめです。「Hold Mode」をオンにすると、息を吹き込まなくても、キィを押すだけで音が鳴るようになります。これで、指だけでリズミカルにビートを刻むことができます。

攻略術2:息で操るラテン・パーカッション 「Latin Perc Set」を選んでみましょう。キィを押すとコンガやボンゴ、カウベルが鳴ります。ここで「Hold Mode」をあえて「Off」に戻し、息で演奏してみてください。息の強弱(ブレス・コントロール)でパーカッションのニュアンスを操るという、今までにないユニークな演奏体験ができます。ループマシンなどと組み合わせれば、一人でバンド演奏も夢ではありません!

【コラム⑯】フルート経験者必見!「Harmonics設定」で吹き心地を完全カスタマイズ

「Fluteモード」で演奏できることはコラム④で紹介しましたが、アコースティック・フルート経験者の中には、「オクターブの切り替わり(息の当て方)がどうもしっくりこない」という方もいるかもしれません。ご安心ください。Brisaはその「吹き心地」すら、あなた専用に調整できます。

攻略術:「Harmonics」関連設定を追い込め! Pro Menuの「Control Settings」内にある「Flute Harmonics」関連のパラメーターを見てみましょう。

  • Harmonics Polarity (Natural / Reverse): 「上の穴に息を入れると高音域」という初期設定(Natural)を、「Reverse」(逆)に切り替えることができます。あなたの吹きやすいスタイルに合わせてください。
  • Harmonics Center (Lower 5 〜 Upper 5): 低音域と中高音域を切り替える「息の当て方の境界線(感度)」を細かく調整します。中高音域が出にくいと感じたら「Lower」側に、低音域が出にくければ「Upper」側に設定を寄せてみましょう。
  • Harmonics Delay (0〜20): 息の当て方を変えてから、実際にオクターブが切り替わるまでの「反応速度」です。意図せずオクターブが裏返ってしまう場合は値を大きくし、逆にもっと機敏に反応してほしい場合は値を小さくします。

これらの設定を追い込むことで、Brisaはあなたにとって「本物のアコースティック・フルート」以上に馴染む「最高の相棒」になるポテンシャルを秘めています。

【コラム⑰】Brisaは最強の「息」コントローラー!DAWでソフト音源をブレス操作! (USB MIDI連携)

Aerophone Brisaの真価は、DAW(音楽制作ソフト)と連携させた時にこそ発揮されます。特に、PC上のソフトウェア音源(ソフトシンセ)を「息」でコントロールできるMIDIコントローラーとしての性能は圧巻です。

攻略術1:USBケーブル1本で接続完了 Brisaは、USB Type-C端子からPCと接続するだけで、MIDI信号とオーディオ信号を送受信できます。複雑な設定や追加の機材は不要。ケーブル1本で、すぐにDAWの世界と繋がります。

攻略術2:「MIDIアサイン」で“息”をDAWに送る Brisaのブレス・センサー(息の強さ)は、Pro Menuの「MIDI Assign」設定で、特定のMIDIメッセージとして送信可能です(例:After TouchやCC02 (Breath))。

  • DAW側でこのMIDIメッセージを使って、ソフト音源のボリューム(Expression: CC11)やフィルターのカットオフ(CC74)などを操作するように設定します。

たったこれだけで、あなたがBrisaに吹き込む「息づかい」そのもので、DAW内のストリングス音源のクレッシェンドや、シンセサイザーのフィルターを自在に操れるのです。タンギングの強さでベロシティを変化させることもでき、管楽器特有のアタック感もリアルに表現できますよ。

【コラム⑱】ボタンと動きでDAWを操れ! MIDIアサインで広がる可能性

BrisaがDAWに送信できるのは、ブレスや演奏キィの情報だけではありません。[S1]/[S2]ボタン、サム・ボタン、そしてモーション・センサー(Tilt/Roll)も、強力な MIDIコントローラーとして機能します。

攻略術:ハンズフリーでDAWをコントロール Pro Menuの「MIDI Assign」で、これらのコントローラーに好きなMIDI CC(コントロール・チェンジ)などを割り当てて、DAW上のあらゆる機能をハンズフリーで操ってみましょう。

  • サム・ボタンに「CC64(Hold 1)」をアサイン: 鍵盤でいうサステインペダルの機能。息を止めてもソフト音源の音を伸ばし続けることができます。
  • Motion Tilt(上下の傾き)に「Bend Up / Down」をアサイン: Brisa本体を上下に傾ける動作で、DAW内のギター音源やシンセ音源のピッチベンドを操ります。
  • Motion Roll(本体の回転)に「CC01(Modulation)」をアサイン: 本体をひねる動作で、ソフト音源のビブラートの深さをコントロールできます。
  • [S1]ボタンに「Start/Stop」をアサイン: なんと、DAWの再生/停止(録音開始)をBrisa本体のボタンで操作できます。

Brisaを「演奏する MIDIコントローラー」としてDAWと組み合わせることで、従来のキーボード入力では不可能だった、生々しくダイナミックな音楽制作が現実のものとなります。

【コラム⑲】Brisa本体の音を劣化ゼロで録音!USBオーディオ活用術

Brisaに内蔵されている尺八や Dudu、表現力豊かなシンセリードの音色。「この音、そのままDAWで録音したい!」と思ったことはありませんか?PHONES端子からオーディオケーブルで接続する方法もありますが、音質の劣化やノイズが気になるところ。しかしBrisaなら、その心配は無用です。

攻略術:USB接続は「オーディオ」も送れる! Brisaは、PCとのUSB接続時に、MIDIだけでなく「オーディオ」信号も送受信できます。つまり、Brisaがオーディオインターフェースとして機能するのです。

これにより、Brisa本体で鳴っている内蔵音源のサウンドを、デジタルのまま、音質劣化ゼロでDAWに直接録音することができます。Brisa自慢のクリアで高品質なサウンドを、そのままあなたの楽曲制作に活かせるのは大きな強みです。

さらに、Brisaはオーディオの「受信」も可能です。DAW側で再生しているオケやクリック音をBrisa本体のPHONES端子から出力し、それに合わせてBrisaの演奏を録音する…といった、スマートなレコーディング環境も構築できます。

【コラム⑳】Brisaでカラオケ練習!PC・スマホの音源とスマートに合わせる方法 (USBオーディオ活用)

お気に入りの曲のカラオケ音源(オケ)に合わせて、Brisaで思い切りメロディを演奏したい!これはBrisaを手にした誰もが思うことでしょう。Brisaには、PCやスマートフォンからカラオケ音源を受信し、自分の演奏とミックスしてヘッドホンから聴くことができる、非常にスマートな機能が搭載されています。

攻略術:USB Type-Cケーブル1本で完結! その秘密は、BrisaのUSB Type-C端子にあります。この端子は、充電やMIDI信号の送受信だけでなく、「オーディオ」の送受信にも対応しているのです。

つまり、付属のUSBケーブルでBrisaとPC(Windows/Mac)やスマートフォンを接続すると、Brisaは「PCやスマホの音を受け取り、Brisaの音と一緒にヘッドホンに出力する」役割を果たします。

接続と再生の手順

  1. BrisaとPC/スマホを付属のUSBケーブルで接続します。
  2. PC/スマホ側で、YouTubeのカラオケ動画や、音楽再生アプリのカラオケ音源を再生します。
  3. Brisa本体のPHONES端子にヘッドホンを接続します。

これだけで、あなたのヘッドホンには「(PC/スマホから送られてきた)カラオケ音源」と「(あなたが今演奏している)Brisa本体の音色」が、完璧にミックスされた状態で聴こえてきます!

この方法のメリットは?

  • 高音質: オーディオ信号がデジタルのままBrisaに送られるため、ノイズや音質劣化がありません。
  • シンプル: ケーブル1本で接続が完了し、追加のミキサーなどは一切不要です。
  • 遅延(レイテンシー)なし: 自分の演奏音はBrisa本体で鳴っているため、音の遅れを感じることなく快適に演奏できます。

BrisaのUSBオーディオ機能を活用して、高音質なカラオケ練習環境を手軽に構築し、あなたの演奏レパートリーをどんどん増やしていきましょう!

【コラム㉑】ケーブルよさらば! Bluetooth MIDIでスマホアプリ音源を鳴らそう

DAWとの連携(コラム⑰)ではUSBケーブルを使った接続を紹介しましたが、BrisaはBluetooth MIDIにも対応しています。これは、Brisaの演奏情報を、ワイヤレス(無線)でスマートフォンやタブレットに送信できる機能です。

攻略術:スマホやタブレットのアプリが「楽器」になる! Brisa本体のBluetooth機能をオンにし、お使いのスマートフォンやタブレットの音楽アプリ(GarageBandなど)とペアリングします。これだけで、あなたのBrisaは、アプリ内の膨大なソフトウェア音源を演奏するための「ワイヤレス・ブレス・コントローラー」に変身します。

ケーブルの煩わしさから解放されるため、リビングでリラックスしながら、あるいはスタジオで自由に動き回りながら、スマホ内のシンセサイザーやオーケストラ音源を「息」で演奏するという、未来的な体験が可能になります。

※Bluetooth MIDIは演奏情報(MIDI)を送るための機能です。アプリの音をBrisaのヘッドホン端子から(ワイヤレスで)聴くことはできません。アプリの音は、ペアリングしたスマートフォンやタブレット本体のスピーカー、またはイヤホン端子から出力されます。

【コラム㉒】Brisaは練習パートナー!アプリ「Fingering」機能が優秀すぎる件 (運指モード確認)

「この音、どの指で押さえるんだっけ?」そんな時、教則本や運指表を探すのは面倒ですよね。そんな悩みを解決するのが、専用アプリ「Aerophone Brisa Plus」の「Fingering」(フィンガリング)機能です。これが練習パートナーとして本当に優秀なんです!

攻略術1:押さえた指を「可視化」する! アプリの「Fingering」画面を開いてBrisa本体と接続すると、あなたが押さえた演奏キィが、アプリの画面上でリアルタイムに赤く光ります。さらに、その運指で「今、何の音が鳴っているか」が楽譜と音名(例:ソ4)で表示されるんです。自分が正しく押さえられているか一目瞭然ですね。

攻略術2:モード切り替え&運指表も完備! この画面では、現在の運指モード(Brisa, Fluteなど)も確認・変更できます。さらに、「運指表」ボタンをタップすれば、PDFの運指表をすぐに呼び出すことができます。

「Fingering」機能は、Brisaの運指を覚え、音名を学び、新しいモードに挑戦するための最強のサポーターです。ぜひスマートフォンやタブレットを譜面台に置いて、この機能と一緒に練習してみてください!

【コラム㉓】万が一の備えはOK?「バックアップ機能」で大切な設定を守ろう!

あなたがBrisaに施したこだわりの設定や、苦労して作り上げたユーザートーン…。もしこれらが何かの拍子に消えてしまったら…想像するだけで恐ろしいですよね。そんな悲劇を防ぐために、専用アプリ「Aerophone Brisa Plus」には強力な「バックアップ機能」が搭載されています。

攻略術:アプリの「Information」から設定を保存! アプリの「Information」画面にある「バックアップ」メニューをタップしてみましょう。ここでは、以下の設定項目を個別にバックアップ(保存)したり、復元(書き戻し)したりすることができます。

  • Toneをバックアップ/復元: あなたが編集した「ユーザー・トーン」の設定
  • Favoriteをバックアップ/復元: 「フェイバリット」の登録内容
  • System Commonをバックアップ/復元: ブレス設定や運指モードなど、本体の共通設定
  • System Assignをバックアップ/復元: ボタンなどに割り当てた機能のアサイン設定
  • MIDI Assignをバックアップ/復元: MIDI送信用のボタン設定

バックアップファイルは、お使いのデバイスやクラウド・ストレージに保存できます。ライブ前に設定を丸ごと保存しておけば、万が一トラブルがあってもすぐに復元可能。これで安心して本番に臨めますね!

【コラム㉔】相棒と長く付き合うために。演奏後にやるべきBrisaお手入れ術

楽しい演奏の後、Brisaをそのままキャリング・ケースにしまっていませんか?Brisaは電子楽器ですが、アコースティック楽器と同じで「息」を吹き込む以上、演奏後のケアは絶対に必要です。大切なお手入れ習慣をマスターしましょう!

お手入れ術1:頭部管の湿気を追い出す! 演奏後の頭部管(吹き口)の内部には、湿度の高い空気がこもっています。これを放置するのはNG!電源を切ったら、まずは付属のブロワー(空気入れ)を使って、頭部管の内部の空気を入れ替えましょう。デュアル・ブレス・センサーなどのセンサー類を湿気から守るための重要な作業です。

【こんな機能がある!!】

頭部管ヒーター機能 これは、Brisaならではのユニークな機能です(『リファレンス・マニュアル』 参照)。 寒い日や湿度の高い日に演奏すると、頭部管の内部(息を検知するセンサー周辺)が結露してしまうことがあります。このヒーター機能を「Auto」に設定しておくと、頭部管が一定の温度に保たれ、結露によるセンサーの誤動作や反応の遅れを低減してくれます 。

お手入れ術2:指紋や汚れはクロスで拭き取る! 演奏中に触れた演奏キィや本体は、皮脂や指紋で汚れています。付属のクリーニング・クロスや、市販の柔らかい布で優しく拭き取りましょう。特にリップ・プレート(唇を当てる部分)は汚れやすいので、こまめに清掃してください。

お手入れ術3:「モイスチャー・バンド」も清潔に! 吹き口の根元に取り付ける「モイスチャー・バンド」は、唾液が本体内部に侵入するのを防ぐ「最後の砦」です。このバンドが汚れたり、湿ったりしたら、本体からはずして水洗いしましょう。しっかり乾かしてから、再度取り付けてください。

お手入れ術4:ケースの「乾燥剤」をチェック! 意外と見落としがちなのが、付属のキャリング・ケースに入っている乾燥剤です。定期的に天日干しして乾燥能力を復活させるか、6ヶ月に1度を目安に市販の乾燥剤と交換することをおすすめします。

少しの手間をかけるだけで、あなたのBrisaは常に最高のコンディションを保ってくれます。相棒を大切に扱って、長く演奏を楽しんでくださいね。

第5章 開発者からのメッセージ

◆◆◆ Aerophone Brisaの開発者からのメッセージを頂く予定です。製品に込められた想いや、ユーザーの皆様へのメッセージなど、貴重なお話をお届けする予定です。ご期待ください! ◆◆◆

第6章 エピローグ:あなたの音楽は、もっと自由になれるはずだ

最終結論:Brisaは「なりたい自分」を叶えてくれる最高の相棒

このレビューを通して私が確信したのは、Brisaが単なる電子管楽器という枠に収まるもんじゃないってこと。これは、私ら管楽器奏者の「本当は、こんな演奏がしたかったんだ!」を叶えてくれるデバイスなんです。あの日の練習スタジオで、音が出なくて俯いてた自分に、今の私がBrisaを渡して言ってやりたいですよ。「君の音楽は、こんなにも自由になれるんだぜ」ってね。もう「自分はサックスしか吹けないから」なんて言って、フルートの美しい音色を諦める必要なんて、どこにもないんです。

こんなあなたにこそ、Brisaを届けたい!

  • フルートに挫折した経験を持つサックス奏者の方
  • 持ち替え楽器として、手軽にフルートの音色を取り入れたいと考えている方
  • 新しい楽器でさらに表現の幅を広げたいAerophoneファンの方
  • バンドの中でひときわ目を引く存在感や豊かな表現力を手に入れたい方
  • 場所や時間を気にせず、もっと練習したいフルート奏者の方
  • DTMにリアルなフルート音色や管楽器、シンセの音を手軽に加えたい方
  • 電子管楽器は初めてだけれど、これを機に挑戦してみたいと思っている方
  • Aerophoneをお持ちで、違うタイプの電子管楽器で持ち替え演奏したい方

さあ、新しい音楽の扉を、こじ開けよう

もし、この私の暑苦しいレビューを読んで、少しでも「面白そうじゃん!」ってワクワクしてくれたなら、ぜひ一度、楽器屋さんでBrisaに触れてみてください。かつての苦労が馬鹿らしくなるような、とんでもなく自由な音楽の世界が、あなたを待ってますから。

Aerophone Brisa 主な仕様(スペック)

キー配列フルート互換キー配列
プリセット音色100音色
ユーザー音色48音色
フェイバリット音色12音色×5バンク登録可能
エフェクト17種類
コントローラーデュアル・ブレス・センサー, サム・ボタン, [S1]/[S2]ボタン, モーション・センサー
Bluetooth標準規格Ver 5.0 (Bluetooth MIDI対応)
ディスプレイ有機ELディスプレイ、128×32ドット
接続端子PHONES端子, USB 5V端子 (Type-C)
電源リチウムイオン電池 / USBバス電源
最大連続使用時間約8時間
外形寸法 / 質量752 x 51 x 52 mm / 415 g

Aerophone Brisa プリセット・トーンリスト(全100音色)

Roland Aerophone Brisaに内蔵されている100種類の音色を、6つのカテゴリに分けてご紹介します。

01: Woodwinds(木管楽器)

No.Tone NameNo.Tone NameNo.Tone Name
01Concert Flute08Soprano Recorder15Clarinet
02Jazz Flute09Alto Recorder16Oboe
03Jazz Flute Atk10Ocarina17English Horn
04Pop Flute11Alto Sax18Bassoon
05Piccolo12Tenor Sax19Harmonica 1
06Alto Flute13Soprano Sax20Harmonica 2
07Bass Flute14Baritone Sax21Whistle

02: Brass(金管楽器)

No.Tone NameNo.Tone Name
01Trumpet05French Horn
02Mute Trumpet06Tuba
03Cornet07Brass Section
04Trombone

03: Strings(弦楽器)

No.Tone Name
01Violin
02Cello
03Contrabass
04Contrabass Pizz
05Strings

04: Ethnic(民族楽器)

No.Tone NameNo.Tone NameNo.Tone Name
01Pan Flute10Pungi19Xun
02Zampona11Uilleann Pipes20Guanzi
03Tin Whistle12Bag Pipes21Suona
04Ryuteki13Duduk 122Hulusi
05Shinobue14Duduk 223Sheng
06Shakuhachi 115Qudi24Erhu
07Shakuhachi 216Bangdi25Matouqin
08Bansuri17Bawu
09Shehnai18Xiao

05: Synth(シンセサイザー)

No.Tone NameNo.Tone NameNo.Tone Name
01Synth Recorder08Lyrical Sqr Lead15Dist Saw Lead
02Lyrical SoftLead09Warm Saw Lead16Voice Lead
03Simple Sqr Lead10Lyrical SawLead117Porta Sqr Lead
04Simple Tri Lead11Lyrical SawLead218Pulse Lead
05Tri Atk Lead12Lyrical SawLead319Tri Sqr Lead
06Sqr Fl Lead13Bright Saw Lead20Saw Tp Lead
07Wide Syn Flute14SawSqr Reso Lead21Syn MtTp Lead

06: Other(その他)

No.Tone NameNo.Tone NameNo.Tone Name
01La Seine08Choir15Glocken Pad
02Musette09Timpani16Drum Kit 1
03Jazz Organ10Steel Drums17Drum Kit 2
04Rock Organ11Vibraphone18Latin Perc Set
05Church Organ12Marimba19SFX 1
06Jazz Scat 113Xylophone20SFX 2
07Jazz Scat 214Glockenspiel21Didgeridoo
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この記事を書いた人 (サックス奏者・藤本 匡光)

藤本 匡光

藤本 匡光

サックス奏者・コンテンツ制作会社役員

1970年生。19歳より数々のジャズフェスティバル・コンベンションに参加するとともに、スタジオ仕事や作編曲などのプロ活動をスタート。2001年にコンテンツ制作会社 (有)トライトーンを設立し取締役に就任。音楽・文化教室の運営、音源監修、サックス・エアロフォン等のデモ演奏、研修講師、執筆、寄稿など活動は多岐に亘る。