サックス奏者にしか分からない事

奈良県Tさんのご質問
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サムフックを交換してみたいなぁと思っているのですが、実際交換すると、どんな効果がありますか?
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藤本 匡光サックスには純正品(部品)から交換する事で、効果を上げるとうたわれる、細かなマイナーチェンジ部品が色々と開発、販売されていますよね。
マウスピースもそうですし、サムフック・サムレスト・リガチャー・ストラップ・タンポ・棒バネ・各種ネジ・メッキや塗装・通電処理・・・挙げていくときりがありません。
「モーツァルトを聞かせながら、組み立てたサックス」というのも、あります。これは嘘です 😆
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さて、サックス本体は変えずに、これらのマイナーチェンジ部品交換を僕が勝手に分類すると

●「サックスを吹いたことのない、一般の人でも気づくであろう音色変化をもたらす物」 と
■「マイナーチェンジ部品交換したサックスを吹く、【本人にしかわからない変化】」 があります。

「サックスを吹いたことのない、一般の人でも気づくであろう変化をもたらす物」は、案外少なくて、マウスピースを極端に違う音色がするものに変える とかですね。
ということは、サックス奏者からしてみると、こんなに極端な変化を望んでいる場合の話ではないので、今回除外します。

■「部品交換したサックスを吹く、【本人にしかわからない変化】」 に、サムフックやリガチャー・ネジ・・・・が含まれます。

ではなぜ、サックスの出音にそれほど変化を与えない部品を交換するか というと「吹奏感」をより、自分好みにチューンしていくかに他なりません。
余談ですが、テレビ番組の「格付けチェック」のストラディバリウスと2万円程度のバイオリンの違いは、正直それほど分からないでしょ?? 😆  でも、あれを演奏している奏者は、全然違う演奏感だと思います。
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マイナーチェンジ部品で変わる「吹奏感」 はどんなものかというと

● 抵抗感(ヌケ)
● 音の輪郭(反応速度)
● 音の微妙な明暗
● 音の雑味
○ プラセボ 😆         
とかですかね。

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例えばここに、リガチャー用の交換ネジが5種類あります。
サックス リガチャーネジ
1 プラチナプレート 1本4,000円くらい 😯 
2 18kゴールドプレート(重) 1本3,000円くらい 😯
3 18kゴールドプレート(軽) 1本2,500円くらい 😯
4 純正
5 ビンテージ物

たかだか、リガチャーのネジなんですが、それぞれ吹いた感じは変わるのも事実でして。
サックスのように、吹奏時に管体が「共振」する楽器は、取り付けられた部品の質量に影響をうけるのではないでしょうか。

しかし、この1~5のネジで、同じ人が、ネジ以外の部品は変えずに同じセッティングでサックスを吹いて、
「利きリガチャーネジ大会」をしたとします。どれがどのネジか音色で当てられるでしょうか?・・・絶対無理です 😆  吹いてる本人が、少し「吹奏感」り違いを感じる程度ですからね。もちろん、倍音の成分の比率などは変わってきてはいるはずですけど・・そんなに違いは分からないはずです。
じゃぁ、どういう理由で、1~5のどれを使うか決めているか というと「なんとなく、これが吹いた感じ、しっくりしていいかな」だったりします 😯  別の人は違う番号でしょうし、また別の人は、他の人が「なんか・・ダメ・・」と感じたものを使うかもしれませんし。ネジだとこんなところです。
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リガチャー本体は、少し様子が変わってきます。これは「抵抗感(ヌケ)」が全く違ってきますし、音の雑味・明暗・反応にも違いがでてきます。とはいえ、出音の違いは、一般の人には分からない程度だったりしますが、サックス奏者本人が、気持ちよく吹ける「吹奏感」は重要ですから、好みでの選択は比較的やりやすいですかね。
ですから、これに上記のネジ効果をプラスして考える感じですね。
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本題のサムフックですが、純正から変えることで「劇的」というほどの変化は期待できません。しかし、中音のレ・ミあたり、サックスでこもりやすい音色になる音の「ヌケ」が若干変化するのは確かで、サムフックの材質・メッキ等によっても、その程度は変わってきます。簡単な方法としては、純正部品のサムフックと本体のあいだに「革」や「金属板(板鉛等)」を挟みこんでネジで締めている人も居ます。
ただ、これも聞いている第三者には、音色の変化など殆どわかりません。ですから、この部品も、サックス奏者本人の「吹奏感」の微調整をする部品といえますね。
同様に、左手側のサムレストも「吹奏感」の微調整をする部品といえます。
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結局の所、こういうマイナーチェンジ部品は、サックスを吹いてる当人にしか、良し悪しを決められません。他人がとやかく言えることでもないんです。まぁ、僕自身は、こういうマイナーチェンジ部品は大好きなんですけどね 😆

あ、吹奏感における「プラセボ効果」、たとえば「ちょっとお高い部品」に交換する事で、効果はよくわかっていなくても、モチベーション上昇にはプラスに働くと思うのでOKではないですかね  😉

また、サックス奏者あるあるとしては、マイナーチェンジ部品に交換してみて
「おーーー、なんかわからんけど良くなった感じする!!」と本人的にも満足していたけど、
ある時ふと純正に戻してみたら
「あ・・・あれ・・・・純正・・・結構良いやん・・・
😯 」 
何事も経験ですかね!! 😆

サックス教室 フイテマス 藤本匡光

 

サックスってリガチャーで音色は変るの?

サックス本体・マウスピース・リードが決まってから、次に悩むのはリガチャーかもとれません。

たかだかリードを止める部品・・と思ってしまうかも知れませんが、
実は全然音色・吹奏感が変ってしまう大事な部品なんです。
これは、リードを留める留め方(4点留めなどリードに接する点の数・レール縦留め・レール横留め・面留め)や
リガチャー本体の材質・ネジの質量、メッキによる比重変化なども要因となります。
「何が一番の要因か」は詳しく分からないところも多いのですが、固有振動数も関係してくるのかもしれません。

マウスピースを購入すると 大体のメーカーにはリガチャーが付属でついて来ますが、オマケ程度に考えたほうがいいかもしれません。セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ等は、つくりのしっかりした良いものが付属していますけどね。

では実際にちょっとした実験をして見ましょうー。
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楽器とリードは変えずに、リガチャーだけを変えて、それぞれ
同じフレーズを吹いたものを、スペクトラムグラフで見てみましょう。
スペクトラムグラフについては 楽器による音色の違い の項を参照
してください。

※今回のサックスセッティング
アルトサックス本体  セルマーシリーズ2
リード  バンドレン ZZ
マウスピース ビーチラー ラバー


リガチャー ビーチラー音を聞いてみる


リガチャー ウィンスロー
音を聞いてみる

リガチャー 不明・・

音を聞いてみる


リガチャー ヤマハ

音を聞いてみる

リガチャー?? ガムテープ
音を聞いてみる

非常に微妙ではありますが、それぞれ周波数特性が違っていますよね。
「ガムテープ」と「ビーチラー」「ウィンスロー」と比較すると、上の方の音は聴感上でも明るさが全然違ってきますね。
これは、倍音の含まれ方に、リガチャーそれぞれの差がでてきているわけです。

倍音成分の違いはあいまって音色の変化となるので、自分の方向性が
ある程度決まって、マウスピース・リード・サックス本体などのセッティングが決まって
きたら、リガチャーで微調整ができるということになります。

あとなによりも吹いた時の抵抗感や、高音域・低音域などの音の出方が
変ってきますので、よりスムーズなレスポンスを模索できます。
貴方もいろんなもので試してみては??
例えば、プロ奏者でもタコ糸で巻く人も居ますし、ゴムで止めたり、100均でも売っている、手芸用のフレキシブルな金属をコイル状にして使っている人もいます。

よく高音域の音が出にくい とか リードミスしやすい場合は、リガチャーを
交換することで改善される場合がありますし、フラジオ音域の出しやすさは、同じマウスピースでもリガチャーで大きく左右されることがあります。
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お店に行くと沢山のメーカーから色々なリガチャーが売られていますから、
機会があったら是非試してみてください。
た・・・ただ、お店でリガチャーの試奏って、ほとんどできませんけどね 🙄

サックス教室 フイテマス 藤本匡光