昔は『Finale』一択でしたね

譜面浄書ソフトの代表といえば、やはり先駆者であったFinaleでしたが、先日このFinaleの開発を中止するという発表がありました。

譜面浄書ソフトが出るまでは、レコーディングスタジオに行くと、まれに 写譜職人(写譜屋とよばれていた)がいる現場あった。譜面を書くことに特化した職人さんで、アレンジャーがその場でアレンジをして、写譜屋さんが各パート譜面をその場で手書きして、それを使って即録音するという。写譜屋さんはとにかく美しい手書き譜面で(写譜ペンを使ってサラサラと書いていた)各種移調楽器にも即座に対応されて、ほんと驚いたのを覚えています。その写譜屋という仕事が後々駆逐されてしまったのは、譜面を美しく印刷できる浄書ソフト Finale の登場だったんでしょうね。当時はmac専用だったと思います、というかまだ”windows”が発売される前で、”windows”が存在しなかったからね 笑笑 ※当時は音楽・DTP・デザインなどなどは、ほぼすべてmac用のソフトしかなくて、すごいお金かかりました・・・

logic とか cubase初期ソフトなど、当時のDAWソフトでも譜面の印刷機能はありましたが、出力された譜面は非常に見にくいものでした。音符が角ばっててバランス・小節内の音符配置も歪でしたし、さらには無駄に細かい音符記号(グリッサンドの64分音符とかね)まで表示されていて、通常使う譜面としては使えませんでした。結局、手書きで五線紙に譜面を書くしかありませんでした。

しかし、Finaleの登場によって、この状況が一変しました。Finaleでは、まさに教科書のような美しい譜面を、パソコンでワープロのように作成することができるようになったのです。※ワープロ がもう古い言い方ですよね 笑笑

たしか初期頃は5.6万円だったかな・・もうすこし高かったかもしれませんけど、20代の時に無理して買って、Finaleの分厚い解説本を片手に使い方を覚えたのを懐かしく思います。ソフト代で初期投資はそこそこかかっても、当時はありものの譜面をFinaleで浄書作成する譜面制作バイトとかもけっこう有って、しかも、ギャラも結構良かったので、すぐに元をとれたように記憶しています。

その後様々な浄書ソフトが発売されて、現代のタブレット用などのアプリではタップして直感的に譜面を入力でき、価格も大変財布に優しいソフトが台頭してきたことで、もともと少なかった浄書人口でのシェアの奪い合い状態になったのかもしれません。Finaleはすこし高度に 痒いところに手が届きすぎる機能 が受け入れにくくなってしまったのかもしれないですね・・・かくいう私も、ここ10年は別のソフトを使っています・・。

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