インボイス制度の考察

※23/2/1 記事書いた時点から、またなんや二転三転 猶予期間やらみなし税率についてなどなど変化しているので、ご自身でも”現時点”でどうなっているか調べてくださいませ。

※23/9/21 3年間は8割特例でのスタートとなりますので、、ざっくりと説明しますが…
消費税分金額のさらに2割(20%)分の金額が、請求総額に占める割合を(Y)を算出してみると
Y = 1 ÷ 110 ✕ 10 ✕ 0.2 すなわち、請求総額の約1.82%分が消費税分の支払い額となります。
「インボイス制度では10%目減りするんやろ!!」と言っている方もおられますが… 三年間はそんなものです。
インボイスを取得していようが・いまいが どちらの人にも特例8割は適用されます。それなら取得しなくてもいいかっっとなんとなく思ってしまうと思いますが、それはそれで取引先の負担が違うことに気づかないといけませんわな…。

様子見な方がおおいのも納得できます…色々とややこしすぎますわな。。


(以下2022年に書いた記事)
そろそろ来年10月から始まるインボイス制度の話題が、私のまわりでも増えてきました…
私のまわりに居られるフリーの音楽家・デザイナーの方たちは、今後の対応に苦慮されている方とともに、制度がわかりにくくてこれから調べるという人も少なくありません。
うちは法人としてはもともと課税業者なので、去年の10月にすでにインボイス番号は取得しましたけど、個人で音楽家やデザイナーとして活動している方のほとんどは、年商1000万円未満がほとんどの業界ということもあり、インボイスを取得(課税業者となる)となると消費税の支払い義務が発生することになります。
インボイス制度はフリーランス側(個人事業主)は消費税を支払うことになること、とともに、取引先(仕事を発注する側)は発注先がインボイスを取得していない個人事業主の場合、仕入れ税額控除が認められないので、金銭的な負担が大きくなり、そうなるとインボイス取得者に仕事を優先的にまわす流れとなることが予想されているわけでして…

インボイスを取得した場合でも、これまでのお仕事で仮に源泉込み10万円(報酬区分)で受けていたものを、+消費税で11万円(報酬区分10万円+消費税1万円)へ取引先と交渉して変更できるのであれば問題ないですけど、額面上は値上げとなるので、取引先との実質値上げの交渉が必要となる…
かといって、インボイスを取得してからも、交渉を経ることなくこれまでどおり10万円での請求額に帳尻を合わせる状況に追い込まれたとすると…

演奏料    90909円
消費税10%  9090円 の明細となり、9090円の消費税に関しては、納付義務があるので、売上としては大きな割合で減額となる。※仕入税額控除があるので9090円全額支払いということではないけど、確定申告時の経理処理がそうとう煩雑になるとともに、確実に制度前より手取り分は減ります。


ちょっと計算してますかね ※確定申告時源泉還付金などは考慮しない
現在時点で100,000円の仕事をした場合
演奏料 100,000円
振込まれる額(振込手数料先方もちとして) 100000円 - 10210円(源泉所得税10.21%)
振込れる額 89790 円 (利益)

インボイス取得後も金額変わらず100,000円で受注した場合
演奏料    90,909円
消費税10%  9,090円
振込まれる額(振込手数料先方もちとして) 100,000円 - 9,281円(※源泉所得税10.21%) = 90,719円
※請求書内訳で報酬金額と消費税の金額が明確に分けられている場合は、消費税の金額を除いた報酬などの金額のみを源泉徴収の対象とされる。上記では90,909-(90,909×0.121)=9,281円となる

振込れる額 90,719 円 となりますが、ここには納付義務がある消費税9090円が含まれていますので、90,719-9,090 = 81,629円 (利益) となります。ただし、納付する消費税計算では仕入税額控除があるので、9,090円全額を納付することにはならないですが、仮に後で説明する簡易課税制度を利用した場合は、9,090円の50%が納付金額となりますから、9,0719 - (9,090×0.5) = 8,6174円が利益となります

現在非課税の方は、インボイス取得後に、金額交渉を経ないまま同じ10万円の仕事をした場合、▼3,616円のマイナスとなります。これを年商に対する納付消費税額割合として考えた場合には大きな金額となります。
しかし、この金額を払ったほうが(インボイスを取得しといたほうが)、インボイス未取得が原因での受注の減少・停止・受注料金減額などを回避できる可能性もあり、いろいろと要因が複雑に絡んできますので、そう単純ではないですね、これについては予測もできませんし…。


インボイスを取得した場合での一つの経理処理負担軽減策としては、(経費割合にもよるけど)ほとんどのフリーランスにとっては原則課税より簡易課税の適用申請をして、みなし税率で支払う方法が良いのかな…と・・
フリーランスの場合はNo.6509 簡易課税制度の事業区分|国税庁だと、第五種事業の方が多いと思うので、みなし仕入れ率は50%となり、年間の売上高に対しての消費税額の半分を納付することとなり、経理上の処理は大幅に軽減される。

問題は、インボイスを取得しない場合(これまでどおり免税業者のまま)は、各業界からもインボイス制度反対が表明されている根本問題だと思うけど、フリーランスがインボイスを取得しないでいると、これまでの取引先から仕事が減ったり、切られたり、または、請求額の減額要求される可能性もでてくる。   

表向きはインボイス制度非対応であっても、それを理由に報酬減額などの要求は下請法上問題があるようにも見えるけど、今回のインボイス制度未取得者との取引による価格交渉は下請法に抵触しないのではという見解も聞くことがあります。すなはち”交渉の範囲内”として認められるかもしれません(ここは私もこれから勉強します)。
 結局のところ、インボイス未取得者との交渉では法律に抵触する可能性が多少なりともあること・発注側企業にとっても経理処理が煩雑となることなどで、「あの人への発注はインボイス非適応でいろいろと面倒が出てくるかもしれないから、そんな余計な心配のいらないインボイスを取得している別の人に仕事ふりましょう」と、発注企業側はこう考えるのが自然な流れになってくるとは思います。

取引先(仕事を振る側・上流側)としては、インボイスを取得していない人からの請求書(買掛金)にかかる消費税が、仕入れ税額控除の対象から外れてしまうので、大会社にとってはそれに係る余計に払わなければならない消費税額が、年間ものすごい金額となることが安易に予想できるわけで、そんなことが予測できるなら、前もって社内で[お達し]がでて、インボイス取得済み外注先優先(免税事業者との取引回避)の流れとなることは目に見えているよね…

現在フリーランスの方は、インボイスを取得するのか、そのまま免税業者として続けていくのか…は、ほんと頭が痛い問題ですよね… 仮にインボイスを取得するとして簡易課税制度を適応したい場合は、事前に簡易課税適用申請を前年末までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出しないとだめとなると、あと半年以内くらいで、ある程度考えておくべきことがあるということになりますかね

なんや、ブツブツとつぶやきのように書いてしまいましたが、フリーランスの方はこれまで自分で確定申告していた方も多いと思いますが、税理士に相談して、早めにインボイス制度の理解を深めておいたほうが良いとおもわれます

音楽家・アクター・タレントさんなどなどマネージメント事務所に所属されている方も、インボイス制度が関係する場合が多いので、所属事務所の経理担当者・顧問税理士と はやめに相談しておくのが良いと思います。

わたしも引きつづきインボイス制度の理解を深めないといけないですわ

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