普段使い用で15年以上使っていたHERGOPOCH(エルゴポック)の斜めがけ革バッグが、そろそろエイジングというよりは、革が部分的に厳しい状態になってきた。以前一度修理にだして、数年前には自分で染め直しをして延命しつつ つかってたんだけどね。靴・バッグなどは本革ものが好きで、一通りのメンテナンスキット、染色キット、補修キットは持ってるが、私の技術では太刀打ちできんようになった。
仕事で使うバッグはもう買い足すことはないんだけど、普段遣いの小ぶりな革バッグとなると必要不可欠である。次も 小ぶりで斜め掛けできて丈夫な革製バッグ が希望でして、前々から気になっていたHERZのミニショルダーがほしいかもと。サックス生徒さんがHERZの3wayバッグを愛用されてて、革は極厚、作り・デザイン・機能性も素晴らしいし、革もイタリアンレザー・ヌメ革で大変上質だ。メンテナンスして使えば15年以上は余裕で使えそうな強靱な作り。しかもなにより価格帯がお手頃。
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価格帯がお手頃!! といいながら、まずはフリマサイトで物色 笑
なんでいきなりフリマとかで探し始めたかというと、ここ何回か自分革製品の染め直しをして、わりと満足のいく結果になることから、今回もバッグは自分でクリーニングして染め直してみたい という趣味実験的なことをしてみたくなりましてね 笑
狙っいるモデルで検索すると数点は売りモノあるけど、定価より2・3割ほど安いだけで、それなら新品買うし・・・。なかには強気な価格設定で『数回しかつかっていません』と書いてあるが、いやいや んなわけ無いでしょ・・・と突っ込みたくなる状態のやつとかね。ノークレーム・ノーリターンは気をつけないと怖いよね。
HERZさんの使っている革は、すごく手のかかっている植物タンニンなめしのヌメ革で(表面塗膜加工していない)、革本来の質感をとても大事にしているモデルが多い。ただ、耐水性に対してはトレードオフで、プレメンテナンスを怠ると、ついてしまった水分は珪藻(けいそう)土なみに革に吸収されてしまって、シミや色ムラになる場合がある。
とはいえ、軽い雨程度の水分は、防水スプレーをはじめ、簡単なメンテナンス方法である程度は予防できるんだけど、それでも急な豪雨ともなると、ぬれてしまった後に適切なケアをしないと、植物タンニンなめしのヌメ革は雨染みだらけになる場合が多い・・・
ちなみに、大半の市販革バッグは、樹脂で表面が薄くコーティングされているので、水は吸収せずにはじく。汚れにくく、普段もほぼノーメンテナンスでいける。きれいなままの状態で使い続けたい人は、コーティングされている革のほうが良いよね。ノーメンテのメリットは大きいけれど、いわいる革のエージングはしない。まあ・・・このエージングはそれぞれの好みだけどね。本人がエージングだと思ってても、他人から見たらタダのめっちゃ汚れたバッグに見えている場合もあるから、気をつけないといけません汗
話は戻るけど『水分をめちゃくちゃ吸収してしまうので大敵になる』それを逆手にとって、丁寧に使っていたのに、予期せぬ急な雨にあってしまい、大切にしていたHERZバッグが水染みだらけになってしまって、どうして良いかわからず『泣く泣くHERZのバッグを安く手放す人』をフリマで物色していたわけです 笑
それを手に入れて、自分でクリーニングして、さらに染め直しをしようと言うことですが、仮に染色なりに失敗してしまっても『しゃーーないか・・』とギリギリ諦められる金額となると、定価の1/3くらいかな。
まあ、定価の6割引くらいのユーズドの出品は、まずないけど、あってもほんとに状態の悪いものがあるから避けないとね。ただ、これまでの売約済みを閲覧していると、たまーーに雨染みがたくさんできているけど、ほかは大丈夫そうな商品が安く出ていることもあるようだ。
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程なく、ラッキーなことに”丁寧に使っていたのに、急な雨で水染みだらけになってしまって『泣く泣くHERZのバッグを安く手放す人』”を発見、掲載写真ではそこまで正確にわからないにしても、雨染みがたくさんできてしまって、使う機会もなくなり革が乾燥気味だが、角スレなどもなく、雨染みができるまではとても丁寧に大事に使っていたいただろう個体を発見! 価格も別売りの肩パットもついてるから、新品合計金額の1/3程度!! これはもくろみ通りやん!と即購入!
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出品者さんは決済後すぐ発送してくれて、決済翌日には到着!
うん期待通り、ほぼ問題は雨染みだけ 乾燥肌はどうにでもなる 笑

雨染み で汚れて見えるけど、革のスレやら型崩れもなく、前所有者の方は大切に使ってたっぽいでしょ。
これを失敗せずにある程度きれいにリペアできたとしたら、仕入価格1万円ちょっとは全然ありでしょ(野望)
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さあ! ここからどうする計画かというと
表面の汚れをブラシで落として
さらに表面の汚れと油分を丁寧にリムーバーで落として
躊躇せずにバック全体を水に沈めてから丸洗い!! 笑
革靴や革ジャンも思い切ったリセットする際には丸洗いするんだけど、洗い方と、乾燥させる時のクリーム入れをまもれば、ほぼ失敗はしないはず・・ヌメ革の財布も丸洗いしたことあるし・・自分のこれまでの薄っぺらい経験上ではね・・
ただ、今回はうまくいかないこともあるわけで・・・水シミ・色ムラが余計にひどくなることも想定はしておかんと。
まあ・・とにかくやってみよう
バッグを水に沈めて5分ほど放置して革を水浸しに。革の内部まで水浸しになったのを確認して引き上げたら
革専用のM.MOWBRAYサドルソープで2回洗い
靴のときもそうだけど、洗っている最中はこのあと本当に大丈夫なのかめちゃくちゃ不安になるんだけどね笑
洗っている写真撮ってなかった・・
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洗ってから50%くらい自然乾燥させて、定番
M.モゥブレィのデリケートクリームを染み込ませる
これをしっかりやらないと、乾燥した時に革が固くなったり型くずれするらしいから、けっこう重要。そのあとは、型崩れしないように中に半紙とかキッチンペーパーとか新聞紙を詰めて乾燥させる。
で、室内乾燥させて丸洗い完了!!


幸い雨染みはほぼ完全に消えたんちゃうかね。少しムラがあるように見えるのは、丸洗いしたために染料が少し抜けたことで、もともとの革の風合いが出ている感じ。革に水分が戻ったこともあり、質感もとても良くなった。このまま使っても全く問題ないレベルにはなった気がするけど、色変えもしたいので濃い目の茶染料を被せ部分とかに入れようと思う。
染料は個人的にはクラフト社のものをよく使う。多少原液の酸っぱい匂いが気になるとは思うけど、比較的私のような趣味レベルでも扱いやすい。
染料を革に入れる前に、もう一度、霧吹きと濡れタオルでしっかりと染色する部位の革を湿らせる。この時に水を弾く箇所があったら、そこは染料が入らなくてムラになるので油分をしっかり除去する、これめっちゃ大事 笑 ここまでしっかりできたら、あとは染料を入れていく。ハケで塗ってもいいけど、私は丸めた小さめのハギレ布に染み込ませて、それで革表面を軽くポンポンしながら、全体を数回に分けて塗り重ねて入れていく。いつもは染料を3.4倍に希釈するけど、今回は濃いめに染色したいので、ほぼ希釈なしでやってみることにした。
染色後ほぼほぼ乾いたら、またデリケートクリームをわりとしっかり塗って、とにかくブラッシングと布で拭き上げる。
ニートフットオイルを使うこともあるけど、現時点では使用せず、表面には薄くラナパーを塗ることにした。HERZの公式でもラナパーを推奨しているようだ。私が持っているラナパーはもう残り少ないけど、10年以上前にやたら通販番組で宣伝してた時期に買ったやつ。コードバンの靴のケア時にも使っているけど、塗りすぎなければしみになる問題は起こりにくい。
※染色後に 色止め剤(表面のコーティング剤)を塗る場合も多いけど、今回は色止め剤はやめた、そうすることで少し色合いに経年変化(エイジング)も期待できるかも・・との野望をもって。
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自分でできる範囲で完成!


雨染みが目立つ状態から、作業時間は合計3時間程度(陰干し乾燥時間は除く)。私の実力的には、結構うまく仕上がったように思うけど 笑笑
ただ・・・わし、よくこの同じクラフト社の焦茶で染めてるので、身の回りに同色の革モノが多くなっとる 爆