サックス演奏のT.P.O

今でもたまに思い出す、20年以上前の出来事を書いてみますね。
border
僕が20歳代前半の時、イカ天(「いかすバンド天国」という勝ち抜きバンド合戦といいますか、そんな番組でした。)をはじめとした、バンドブームがありました。
その中で、勝ち抜いた とあるバンドにはアルトサックス奏者がいました。僕よりも大分年上そうな方でしたが、身勝手に発言させてもらうと「上手いサックス」とは全く思えませんでした。

しかし、なんだかその方のサックス演奏に引き込まれていく自分がいました。全く自分の目指している方向性でもなかったですし、とても不思議な感覚だったように思います。
その感覚がなんなのか・・・自分で整理しようとしたんですけど、すぐには答えがでませんでした。

で、ある時、そのバンドの音源を手に入れたので、じっくりと聞いてみました。
んで、その方のサックスをコピーしてみたら、僕のサックス演奏では、まっっっっったく、そのバンドのサウンドにしっくりきませんでした 😯
譜面にすると、とても簡単なのに、そのバンドのサウンドには、その方のサックスが合うし、その方のフレーズがピッタリなんです。
これは、なんていうか、上手い・下手とかテクニックどうこうとか、そういうことではなかったように思います。
そのバンドには、他ならぬ、その人だけの「サックスの音・サックス演奏スタイル」が必要だったんですね。
border
自分のサックス演奏のスタイルを確立することは、非常に重要なことだとは思いますが、
「その時、その場所に必要とされるサックス演奏、配音」を考えることが、非常に重要だと気付かされた20年以上前の昔話でした 😆
border

サックス教室 フイテマス 藤本匡光

 

サックス奏者にしか分からない事

奈良県Tさんのご質問
border
サムフックを交換してみたいなぁと思っているのですが、実際交換すると、どんな効果がありますか?
border

藤本 匡光サックスには純正品(部品)から交換する事で、効果を上げるとうたわれる、細かなマイナーチェンジ部品が色々と開発、販売されていますよね。
マウスピースもそうですし、サムフック・サムレスト・リガチャー・ストラップ・タンポ・棒バネ・各種ネジ・メッキや塗装・通電処理・・・挙げていくときりがありません。
「モーツァルトを聞かせながら、組み立てたサックス」というのも、あります。これは嘘です 😆
border
さて、サックス本体は変えずに、これらのマイナーチェンジ部品交換を僕が勝手に分類すると

●「サックスを吹いたことのない、一般の人でも気づくであろう音色変化をもたらす物」 と
■「マイナーチェンジ部品交換したサックスを吹く、【本人にしかわからない変化】」 があります。

「サックスを吹いたことのない、一般の人でも気づくであろう変化をもたらす物」は、案外少なくて、マウスピースを極端に違う音色がするものに変える とかですね。
ということは、サックス奏者からしてみると、こんなに極端な変化を望んでいる場合の話ではないので、今回除外します。

■「部品交換したサックスを吹く、【本人にしかわからない変化】」 に、サムフックやリガチャー・ネジ・・・・が含まれます。

ではなぜ、サックスの出音にそれほど変化を与えない部品を交換するか というと「吹奏感」をより、自分好みにチューンしていくかに他なりません。
余談ですが、テレビ番組の「格付けチェック」のストラディバリウスと2万円程度のバイオリンの違いは、正直それほど分からないでしょ?? 😆  でも、あれを演奏している奏者は、全然違う演奏感だと思います。
border
マイナーチェンジ部品で変わる「吹奏感」 はどんなものかというと

● 抵抗感(ヌケ)
● 音の輪郭(反応速度)
● 音の微妙な明暗
● 音の雑味
○ プラセボ 😆         
とかですかね。

border
例えばここに、リガチャー用の交換ネジが5種類あります。
サックス リガチャーネジ
1 プラチナプレート 1本4,000円くらい 😯 
2 18kゴールドプレート(重) 1本3,000円くらい 😯
3 18kゴールドプレート(軽) 1本2,500円くらい 😯
4 純正
5 ビンテージ物

たかだか、リガチャーのネジなんですが、それぞれ吹いた感じは変わるのも事実でして。
サックスのように、吹奏時に管体が「共振」する楽器は、取り付けられた部品の質量に影響をうけるのではないでしょうか。

しかし、この1~5のネジで、同じ人が、ネジ以外の部品は変えずに同じセッティングでサックスを吹いて、
「利きリガチャーネジ大会」をしたとします。どれがどのネジか音色で当てられるでしょうか?・・・絶対無理です 😆  吹いてる本人が、少し「吹奏感」り違いを感じる程度ですからね。もちろん、倍音の成分の比率などは変わってきてはいるはずですけど・・そんなに違いは分からないはずです。
じゃぁ、どういう理由で、1~5のどれを使うか決めているか というと「なんとなく、これが吹いた感じ、しっくりしていいかな」だったりします 😯  別の人は違う番号でしょうし、また別の人は、他の人が「なんか・・ダメ・・」と感じたものを使うかもしれませんし。ネジだとこんなところです。
border
リガチャー本体は、少し様子が変わってきます。これは「抵抗感(ヌケ)」が全く違ってきますし、音の雑味・明暗・反応にも違いがでてきます。とはいえ、出音の違いは、一般の人には分からない程度だったりしますが、サックス奏者本人が、気持ちよく吹ける「吹奏感」は重要ですから、好みでの選択は比較的やりやすいですかね。
ですから、これに上記のネジ効果をプラスして考える感じですね。
border
本題のサムフックですが、純正から変えることで「劇的」というほどの変化は期待できません。しかし、中音のレ・ミあたり、サックスでこもりやすい音色になる音の「ヌケ」が若干変化するのは確かで、サムフックの材質・メッキ等によっても、その程度は変わってきます。簡単な方法としては、純正部品のサムフックと本体のあいだに「革」や「金属板(板鉛等)」を挟みこんでネジで締めている人も居ます。
ただ、これも聞いている第三者には、音色の変化など殆どわかりません。ですから、この部品も、サックス奏者本人の「吹奏感」の微調整をする部品といえますね。
同様に、左手側のサムレストも「吹奏感」の微調整をする部品といえます。
border
結局の所、こういうマイナーチェンジ部品は、サックスを吹いてる当人にしか、良し悪しを決められません。他人がとやかく言えることでもないんです。まぁ、僕自身は、こういうマイナーチェンジ部品は大好きなんですけどね 😆

あ、吹奏感における「プラセボ効果」、たとえば「ちょっとお高い部品」に交換する事で、効果はよくわかっていなくても、モチベーション上昇にはプラスに働くと思うのでOKではないですかね  😉

また、サックス奏者あるあるとしては、マイナーチェンジ部品に交換してみて
「おーーー、なんかわからんけど良くなった感じする!!」と本人的にも満足していたけど、
ある時ふと純正に戻してみたら
「あ・・・あれ・・・・純正・・・結構良いやん・・・
😯 」 
何事も経験ですかね!! 😆

サックス教室 フイテマス 藤本匡光

 

サックス奏者自身の持つ音色

北海道Kさんから頂いた質問です
border
中学より吹奏楽部でアルトサックスを吹いていました、大学に入りビックバンドに加入し先輩の勧めで、マウスピースをメイヤーの5MMに変えたのですが、吹奏楽時代に使っていたセルマーのクラシック向けマウスピース(S90)と、あまり音色が変わった感じがしません。
border
藤本 匡光
サックスのマウスピースには、メタル・ラバー・他素材を含めて、沢山の種類があり
内部構造も多種多様ですが、お選びになったマウスピースと、リードやリガチャーの
セッティング次第で、大きく吹奏感や音色が変わってきます。
とはいっても、セッティングがおかしいのかなぁ・・・リード変えてみようかなぁ・・は、Kさんは歴がそこそこお有りみたいなので、試したかもしれませんね 🙄

僕は、ここで、関係してくるのが、「楽器としての身体」ではないかと思っています。
「 好きなサックス奏者と同じ、マウスピース・リード・リガチャーにしたのに、あんな音でないやんかっっ 🙁 」
こんな経験は皆さんもあると思います。
たとえば、貴方の憧れているサックス奏者が、目の前で演奏していて、その演奏で使っていたサックスを、リードもマウスピースも全部そのままで、貴方に「吹いてみなよー」と渡してくれたとします。
同じ音が出ると思いますか??????
ご想像通り・・・出るわけがありません。この場合の違いは「奏者の違い」のみです。

ですから、音色を決める要因は、マウスピース・サックス本体・リガチャーなどのセッティングの違いはあれど
「奏者の違い」すなわち、吹き方(奏法)・アンブッシャが最大要因ということになります。
ですから、Kさんの場合も、マウスピースが合格点の物だとすると、あとはそのマウスピースでいい音がでるようにロングトーンを含めて、アンブッシャの柔軟性を高める練習をしていく事で、音色が出来上がってくると思います。

これには時間がかかりますが、自分がどういう音を出したいか という、理想が大きく未来を左右しますから、早いうちに、出したい音を探してみてください。
border
今回、この「出したい音の影響力」を実験してみたいと思いまして、
僕がクラシックサックスをやっていた当時、吹奏楽サックスの定番マウスピース(セルマー C★)を25年ぶりに引っ張り出してきました。
セルマー マウスピース C
このマウスピースは、簡単に言うと、みなさんが楽器を買ったときに付属しているマウスピースと同じ系統です。
本来は、太くて柔らかい音を出す方向性のマウスピースですね。
border
さて、では
「クラシック用定番サックスマウスピースで、ポピュラー曲を吹けるか!?」実験です。

border
このマウスピースの高校時代のセッティングだと、リードはバンドレン青箱3半~4番 リガチャーはセルマー純正でした。今回は、リードはLaVoz m.soft  リガチャーはビーチラーで吹いてみました。
曲は「サックスで名曲」でもとりあげた、コナンにしてみました 😛


「本来」このマウスピースは、こういう音色を出すマウスピースではないですけどね 😆 
僕は、こういう明るめの音色が好きですし、「出したい」ので、本来ダーク系統のこのマウスピースでもこんな音がでます。奏者本人が出したい方向に、セッティング・奏法を変更して、音色が変化したということですね。
逆にいうと、奏者自身の方向性が決まってないと、マウスピースは応えてくれない・・ということですね。
ジャンルに合わせたセッティング・装飾技法等で、演奏の印象も変わりますからね。
まぁ・・僕は、今となっては、このマウスピースでクラシック系のいい音は出せなそうですけど・・。

久々に開き(ディップオープニング)が狭く、バッフルの低いクラシック向けのマウスピースで吹いてみて、とても気を使って演奏しなければなりませんでした。30分ほど慣れるために吹きまくりました 😆
マウスピースの開き(ディップオープニング)が狭いため、ポピュラー奏法の、ベンド奏法・ハーフタンギング等は格段に難しくなりますね。
ポピュラー向けのマウスピースは、開きがある程度広い分、ベンド奏法やポルタメント等は自由度が高くなります。
でも、自由度が高くなる分、諸々のリスクも上昇するトレードオフな所はありますがね 😆

border
マウスピースを選ぶことはとても重要です、しかし、それを吹くサックス奏者自身が、
どういう音で鳴らしたいか
方向性を持っていないと、音色が定まりません。
大雑把な意見を言うと、サックス奏者の音色の方向性が決まっていて、アンブッシャなどが確立できていればだいたいのマウスピースで、その奏者の出したい方向性の音が鳴るということですかね 🙄
border

サックス教室 フイテマス 藤本匡光

 

サックスの音色を創る旅

サックスをはじめとして、管楽器などの吹奏楽器は音色を
創るためにとても苦労しますよね。

これには10年単位で練習と試行錯誤が必要になってきます。
まず色々とセッティングなどを自分向きに作っていく作業を
絶え間なく模索しながら、呼吸法・奏法など様々など様々な

要因を解決していく必要もあります。
では逆にプロ奏者が使っているセッティングを そのまま貴方に渡して、同じ音がでるでしょうか?

答えは絶対同じ音はでません。。

では 何が違うか・・・ 奏者が変ったこと以外には原因はないですよね。

僕もよく生徒さんに自分が吹いてる状態のサックスとか、マウスピースとかをそのまま吹かせることがあります。

これはようするに 奏者自身によって音色が決まる ということを、早いうちに分かってほしいからなんです。

これには柔軟なアンブッシャー・呼吸法 となにより本人が出そうとしている音色イメージが、重要な要素だと思っています。

では音色イメージはどうやって作ればいいのか・・・
自分の理想とかるサックスの音色を見つけるには・・・
これには様々な方法がありますが、僕の場合はまだサックスで
プロになろう・・なんて考えてなかったときに、実家の神戸ローカル
テレビ局で放送されていた映画の番組のエンディングテーマが

デビットサンボーンの Good Bye という曲でした。
もちろんクラシック畑だったぼくはサンボーンなど知りません

しかし、この曲を聴いたときに電気が走ったような感覚になったのを、いまでも鮮明に覚えています。

クラシックを聞いて涙したりすることは有ったんだけど、それ以外のジャンルの曲を聴いて衝撃を受けたのは初めてでした。

いてもたっても居られなくて、テレビ局に電話して アーティスト名とアルバム名を教えてもらって、早速CDを買いにいきました。

それがサンボーンと僕との出会いでした。

実はテレビで聞いていたときには、サックスがメロディーを吹いてることも分からなかったのです。
あんな音がサックスからでるなんて、想像もつかなかったんです。

当時クラシック奏法を某音大の先生に師事していた僕にとって
サンボーンの音色は「汚い・・・」と感じることもありました。

しかし言葉に出来ないけど心に奥に入ってくる サンボーンの
サックスの音色はいったい何なのか自分でも分からなかったものです。

クラシックにおける いい音色 そして
ジャズやポピュラーにおけるいい音色 はまったく違うことに気づくまでに
それから2年の時間を必要としたように思います。

サンボーンとの出会いでセッティングも全てサンボーンと同じにしてみたり、
彼のコンサートに何度となく足を運びました。

でもサンボーンと同じ音などでませんでしたね。それでも練習しつづけ
あるとき人から「いい音色してるね」って言われだしました。

サンボーンとは違うけど、自分の音もなかなかどうして いいんちゃうん・・ とすこし自身を持ち始めました。
サンボーンのコピー本を2冊全曲完全コピーするのに5年くらいの時間がたってましたね。
でもそのときにハーフタンギング・ポルタメントベンドなど様々な奏法を知ることができ、練習する課題も沢山できました。

その頃にはブランダンフィールズ・デビットコズ・エリックマりエンサル・
など当時 ロサンゼルス系 と呼ばれたサックス奏者の音色に好みが移りつつありました。

サンボーンとはまったく違う奏法・音色にまた衝撃を受けて、
マリエンサルの教則ビデオ買ったり、フィールズの曲をコピーしようとして、めちゃめちゃ挫折したのを覚えてます 笑

そんなこんなこの後も紆余曲折あるのですが、ようするに偉大なる先輩サックス奏者を、色々浮気しながら
まぁその時点では本気なんだけど w

ごちゃごちゃに混ざっていまの自分が出来上がってるかんじです。好きな奏者を見つけるには、まず自分がサックスをはじめたきっかけの奏者が居たら その人のアルバムなどを聞いて、コピーしてみる。

できたらセッティングも真似してみると色々な事が分かると思います。
あとは生で聞く機会を作る、CDなどではエフェクト処理もされてるわけですが、
故人でない奏者でしたら、やっぱしライブに出向き生音を聞いて 衝撃を受けて、自分の今と比べて落ち込んでください!! いろいろな意味で挫折は後に活力となり必要ですからね。

よく 好きな音色が分からない という人もいるんだけど、その気持ちも分からなくはないんですよね。。

僕みたいに元はクラシックからとかだと、ポピュラーのセッティングにしても、
なんか やわらかい音をだすようにしちゃうんだよね。

頭では分かっていても、なんかポピュラー的な音色を出すと嫌悪感というか拒絶反応がおこる感じというか。。

ここを乗り越えるのにほんと時間かかると思います、ビブラートのかけ方とかもね。。。
リスナーとしては好きだけど、自分で出すのは抵抗があるというかね。

んーーーー結局 練習かな

まとまってないよね。。。ごめんなさい。。

——————————————————–

これも死ぬほどコピーした サンボーンの曲。未だにこのサンボーンのソロのフレーズは僕のソロにも顔をだします 笑

——————————————————–

サックス教室 フイテマス 藤本匡光