昨日は人気作編曲家Nさんにお呼ばれいただいてレコーディングに行ってきました。
この方のレコーディングは非常に切り口が新鮮で、勉強になります。
だいたい、サックスソロ部分のレコーディングでは、譜面貰って「ここからここまで、ソロお願いします~」で、何回か吹くんですけど、どうしてもそうなると、私はサックス奏者なので、どこかで”サックスらしいフレーズ”を吹こうとしてしまいます。まあ、サックス吹きなので当たり前っちゃ当たり前なのですが、曲を頭から聞いてソロ部分が来た時に「はいっ サックス来ました~」みたいなw まあ、それも場合によってはありですし、それを求められることも多いのですが、Nさんの場合は自身の曲全体のストーリーの中で、サックスが奏でるべきラインが既に聞こえていて、それを具現化するのがレコーディングでの私の役割になります。
そうなると、自分の持っている所謂”サックスフレーズ”ではなく、もっとシンプルでしかも無駄のない音づかいでソロ部分が完成していくんです。シンプルでこそ難しい面、歌い過ぎない解釈・・と、とても新鮮かつ勉強になりました。
日々、小難しいフレーズを練習したりすることも多いのですが、曲の中で与えられたサックスソロ部分の役割として、そんな小難しいフレーズではなく、もっともっとシンプルなラインであっても、完成してみると曲全体の中でのサックスの役割・存在の意味合いが出てくるんですよね。楽曲でのサックス演奏のアプローチについて、自身の解釈の幅をもっともっとひろげないといけませんわ(^^;
ここ数年は自身のスタジオでサックストラックを録音してデータ納品というのが増えているのですが、やはり作曲者ご本人にディレクション頂きながら録音する現場は、とてもとても貴重な経験になります。