サックスのアンブッシャー(アンブシュア)

最近来られた生徒さんがアンブッシャが壊滅状態だったんだけど、
なぜそうなったかというと、前の先生にアンブッシャー(アンブシュア)を変えることを
強制されたから・・ということでした。。なんで強制するんやろね・・まぁ、その師匠に師事するなら従わないとだめかもしれませんが・・。
サックスのアンブッシャとは「マウスピースの咥え方」のことを指しますが
大きく分けて2種類あるんよね。

シンリップとファットリップ

●シンリップ奏法


サックス アンブッシャー(アンブシュア) シンリップ
シンリップ奏法はマウスピースを咥えるときに下唇を下の歯に巻く奏法。
一般的にクラシック奏法とも呼ばれることが多いですが、教育上最初に習うのは、このシンリップです。クラシック奏法とはいうものの、多くのジャズジャイアンツ テナー奏者もシンリップ奏法ですので、シンリップではジャズができないとかそういうことでは無いです。わたし自身もシンリップです。

ついでてすが、エアロフォンではこのシンリップをオススメいたします。

●ファットリップ奏法


サックス アンブッシャー(アンブシュア) ファットリップ
ファットリップ奏法はマウスピースを咥えるときに下唇を下の歯に巻かないで咥える奏法です。上でも述べましたが、本来クラシック教育においては、サックスより古い楽器でシングルリード楽器であるクラリネットと同じシンリップ奏法が基本とされてました、
しかし現在も名を残したジャズミュージシャンが サックスを初めて手にした際に、クラシックサックスの基本でもあったシンリップを知らずにサックスを吹こうと練習したら 下唇を巻く なんて思わないですよね。そのまま巻かずに練習することで、それまでの教育上のサックス奏法としては’間違った奏法’として始まったのではと一説にはいわれています。

しかし、60年を経て、今では一つの奏法として確立されています。

じゃあどっちがいいのか?

答えは どちらでもいい です。
シンリップでは音が細く、音程の変化がつけにくい とかファットリップでは音程が不安定で・・など色々と論争はありますが、どちらの奏法も突き詰めれば同じです。
先生によっては奏法を変えろという人もあるようですが、個人的には変える必要はないと思います、むしろそれまでのアンブッシャー(アンブシュア)を壊してしまいますからね、自分の学んできたアンブッシャも許容してくれる先生探したほうがいいかもですね。。

ただちょっと厄介だなぁ・・と感じるのは、大学のサークルなどで先輩が大学からサックスを始めた人でファットリップ奏法で頑張っている人に教わる場合、後輩は吹奏楽から始めたのでシンリップ奏法だとすると・・
そして先輩はいいます「ジャズはファットリップじゃなきゃ駄目だ」

後輩にとっては先輩は「神様」ですから・・ 「そっかジャズはファットリップにしないと・・・」と、シンリップを捨てようと頑張ります。
それでもいいけど、それなら今まで培ったシンリップ奏法を極めていけばいいわけです。。とはいえ・・先輩の言葉は・・・・・で自分のアンブッシャがわからなくなって助けを求められることが多々有りまして^^;

どちらの奏法でも 練習して極めればいい音色でるし・いい奏法なのですよ。

さらに、ダブルリード楽器を吹くときと同じように、ダブルリップ奏法でサックスを吹く方もおられます。

オマケ

ちょっとした練習方法ですが、シンリップ、ファットリップの人も、ロングトーン練習だけ、ダブルリップ奏法でやってみると、変な力が口輪筋にかかりませんから、リラックスして息圧の安定につながります。ダブルリップ奏法はオーボエとかファゴットみたいなダブルリード楽器におけるアンブッシャで、上下どちらの歯にも、直接マウスピースをあてずに吹きます。
ジャズサックス奏者でも少数ながら、デフォルトがダブルリップ奏法の方がおられますよ。

私自身はアルト・ソプラノ・ソプラニーノはシンリップ で
テナーは なんといいますか、シンリップとファットリップの中間みたいなアンブッシャー(アンブシュア)ですかね。まぁ、とにかく口輪筋を鍛えることですね。

サックス教室 フイテマス 藤本匡光
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