VSTプラグインとは その②『vst』エフェクト編

前回 VST-i(インストゥルメンツ)について書いてみましたが、

今回はVST エフェクトについて、それぞれの使い方とかの細かな話ではなくて、どう変化して、その目的は何なのか を実際のトラックを聞いてVST エフェクトの効果や使用目的がわかってもらえるようにしてみます。

VST エフェクト とは

VST エフェクト を一言で説明するのはムズイのですけど、ありとあらゆる音に関する機能を追加するVSTプラグインのことです。

例えば残響(リバーブやディレイ)を追加・EQ(周波数調整)・ダイナミクス(音量調整)などなど・・・の機能を追加できます。トラックに任意のVSTプラグインを適応することを『挿す』といったりもします。


例えばCUBASE PROでは発売元であるSteinberg社が最初からバンドルしてくれているVSTエフェクトを、種類ごとに表示させると、目的別に15のジャンルに大別されています

で、それぞれの項目にVSTが格納されています。ざっくり数えたらSteinberg社バンドルだけで80種類くらい入ってます。


Steinberg社のものだけでコレだけあって、さらに自分で買い足したものまで入れると、ゆうに数百種類ありますが・・・わたしはすべてを理解しているわけではなく(無理)、よく使うやつはある程度限られています。プロのエンジニアの方々はさらに沢山のプラグインから最適なものをチョイスして、それを最適な設定で使用されます、ほんとプロはすごいですよ。

今回は、それぞれのプラグインの細かい説明はしませんけど(できませんけど笑)、どれくらい変化するものなのかを感じていただいて、みなさまがお持ちのDAWに最初からバンドルされているVSTエフェクトプラグインに曲味を持っていただいて、すこしずつ遊びがてら使っていただければいいかと思います。


以下からAB比較みたいにサンプルを書き出してみますが、イヤホンなどで聞かないと『かわったか??』みたいな感じもあると思います汗 まあ、それくらい少しの変化を求めてvstを挿す場合もありますけどね。

題材として私がYouTube用に作ったCareless Whisperのイントロ部分のオケだけ聞いてみてください

※YouTube Careless Whisper

このオケには色々なVSTを使っていますけど、たとえば一度すべてのVSTをOFFにするとこんな感じになります。

激変でしょ笑 リバーブなどの空間の広がりを司るVSTもOFFなので、めっちゃ冷めるというか寂しいですよね笑


このバッキングイントロ部分ではトラックは23トラックを使っています
基本的にはベースとドラムとパーカッションとギターとエレピとストリングスです


すでに波形へと変換しちゃってますけど、それぞれはVST-iで演奏させています。

例えばBASSトラックについて見てみます

最近個人的にBASSはMODO BASSをよく使っています

このMODO BASSから出した素の音はこんな感じです。ただしMODO BASS内部である程度色付けはされていますけどね。優秀なBASS専用VST-iですから、そのままの音でも相当いい感じですです。

この素の音状態にVSTプラグインを挿します。今回はユニバーサルオーディオとizotopeのvstを挿してBASS低音のブリブリ感を付加しています。MODOBASSは優秀なBASS専用VST-iですから、そのままの音でも相当いい感じなのですが、なぜ更にVSTプラグインを挿すかといいますと、BASS以外のトラック(ギターやらドラムやら)を重ねていくと、ベースの存在感が希薄になってしまう場合があるからでして、BASS以外のトラックも重ねて行った後にベースの存在感を出すためにBASSトラックにVSTプラグインを挿すわけです。
他トラックに対して存在感を出すための処理後のBASSトラックはこんなかんじです。


一応全体で聞いた時に、処理したベースバージョンと未処理バージョンきいてみますか、ちょっとした存在感の違いがわかってもらえるかとは思います。

BASS未処理バージョン

BASS処理済みバージョン

ドラムについてもみましょうか

正直なところドラムの調整は私もまだまだ修行段階で、サックス奏者としてできる範囲で頑張ってます!!くらいですけど笑

この曲のドラムはTOONTRACK社のEZ DRUMMER2を使っています、比較的手軽に安くドラムセットを扱えるので気軽に使うにはいい音源で、わたしは1の頃から使っています。ブラックフライデーセールなどでは激安になるときもあります。
※あと個人的に所有しているドラム専用VST-iのなかでよく使うのはBFD3MODO DRUMです(これらもブラックフライデーセールなどで6割引とかになるタイミングがあるので、買うならその時に買うのがいいですよ~)


さてまずはVST処理をしたドラム&パーカッションパートを聞いてください

これの素の状態(VST処理をしていない状態)を聞いてください

この曲ではドラムパート+パーカッションで13トラックを使っているのですが、ドラムのVST-iからの出力をスネアならスネアのトラック、ハイハットはハイハットのトラックとある程度独立させて(パラアウトといいます)、DAW側でドラムのVST-iからおくられてきたそれぞれのトラックに、必要なvstプラグインを挿したりします(下の写真で黄色く囲ったなかにある、それぞれのトラック上の水色の一つ一つがVSTプラグインです)。

そもそもなんでVSTプラグイン処理が必要なのか

いきなり余談ですが、昨今『サックス奏者やから録音にスタジオに行ってあとはエンジニアさんがやってくれるしなぁ』という仕事だけではなくて、自分でサックス録音して納品。さらには曲も作ってそれのバッキングトラックも打ち込んで、その上でサックスも録音してミックス(トラックダウン)もして、ある程度先方がそのままでも音楽として使えるくらいのレベルで納品せなあかん・・・とか、仕事に幅がでてきています。
私も最初の頃(20年くらい前)はサックスだけ録音して、サックストラックだけを納品という仕事から宅録をはじめましたが、何年か経過した時には『ある程度そのまま使える状態でほしい』的な仕事がでてきて・・・と。
そうなるとバッキングトラックを含めたミックス(トラックダウン)をある程度ちゃんと出来ないと、その曲中での『サックスの演奏』が、バッキングトラックに埋もれてしまってしっかり聞こえない・・・とか、なんやイマイチやなこのサックス・・・という状況によく陥りました汗


ミックスダウン(トラックダウン)は簡単に言うと『曲の見通しを良くする作業』ですわな笑
それには曲想に合っているとか雰囲気的なことや曲のダイナミクス(抑揚)も含まれます。


例えば以下のAとBの2つは音量をあらわす‘とある指標'(ピークレベル)では同じ最大値なのですが、聞こえが全く違います

A

B

どちらがリズムとして存在感あるか?? というとAに軍配があがるとおもいます。AもBもデータ上の音量は最大なのですが、聴感上で感じる音量はこれだけ差があります。このように人間の耳で聞いた時に、いかにその曲を構成しているそれぞれのトラックをバランス良く聞かせられるか という命題のもとそれぞれのトラックに必要な『成分』を効率的に引き出す(無駄を削る)ことができる道具がVSTプラグインです。

ただ、ほんと多種多様なVSTプラグインがありまして、めちゃくちゃ深くてムズイ・・・
だから、わたしはある時『自分のできる範囲でその作業をしよう』と割り切りました汗 まったくしないよりは、したほうが良くなりますからね。まあ、作業に没頭しすぎて客観性が失われたまま作業をつづけていると、なんもしないより処理後のほうが酷くなっちゃって、すべてリセット・・・なんて事もありますけど汗

ただ、みなさんもせっかくDAWにVSTプラグインが最初からバンドルされているのですから、ぜひ遊びがてら挿してみて、どういう効果でどういう時に必要なのか研究してみるといいですね、わからなければネットで検索するといろいろな情報が手に入りますし。このステイホームの期間にはもってこいの『時間がいくらあってもたりひんやん趣味』になると思います笑

てか・・・なんとなくでもわかってもらえたか不安になる記事ですみません汗


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