サックス本体・マウスピース・リードが決まってから、次に悩むのはリガチャーかもとれません。
たかだかリードを止める部品・・と思ってしまうかも知れませんが、
実は全然音色・吹奏感が変ってしまう大事な部品なんです。
これは、リードを留める留め方(4点留めなどリードに接する点の数・レール縦留め・レール横留め・面留め)や
リガチャー本体の材質・ネジの質量、メッキによる比重変化なども要因となります。
「何が一番の要因か」は詳しく分からないところも多いのですが、固有振動数も関係してくるのかもしれません。
マウスピースを購入すると 大体のメーカーにはリガチャーが付属でついて来ますが、オマケ程度に考えたほうがいいかもしれません。セルマー・ヤマハ・ヤナギサワ等は、つくりのしっかりした良いものが付属していますけどね。
実験をして見ましょうー
楽器とリードは変えずに、リガチャーだけを変えて、それぞれ
同じフレーズを吹いたものを、スペクトラムグラフで見てみましょう。
スペクトラムグラフについては 楽器による音色の違い の項を参照
してください。
※今回のサックスセッティング
アルトサックス本体 セルマーシリーズ2
リード バンドレン ZZ
マウスピース ビーチラー ラバー
リガチャー ビーチラー
リガチャー ウィンスロー
リガチャー 不明・・
リガチャー ヤマハ
リガチャー?? ガムテープ
で・・どないよ
非常に微妙ではありますが、それぞれ周波数特性が違っていますよね。
「ガムテープ」と「ビーチラー」「ウィンスロー」と比較すると、上の方の音は聴感上でも明るさが全然違ってきますね。
これは、倍音の含まれ方に、リガチャーそれぞれの差がでてきているわけです。
倍音成分の違いはあいまって音色の変化となるので、自分の方向性が
ある程度決まって、マウスピース・リード・サックス本体などのセッティングが決まって
きたら、リガチャーで微調整ができるということになります。
あとなによりも吹いた時の抵抗感や、高音域・低音域などの音の出方が
変ってきますので、よりスムーズなレスポンスを模索できます。
貴方もいろんなもので試してみては??
例えば、プロ奏者でもタコ糸で巻く人も居ますし、ゴムで止めたり、100均でも売っている、手芸用のフレキシブルな金属をコイル状にして使っている人もいます。
よく高音域の音が出にくい とか リードミスしやすい場合は、リガチャーを
交換することで改善される場合がありますし、フラジオ音域の出しやすさは、同じマウスピースでもリガチャーで大きく左右されることがあります。
お店に行くと沢山のメーカーから色々なリガチャーが売られていますから、
機会があったら是非試してみてください。
た・・・ただ、お店でリガチャーの試奏って、ほとんどできませんけどね