サックス録音で揃える必要のある機材

茨城県のkさんから“サックス録音で揃える必要のある機材”について質問いただきました。
私も含めてサックスの録音は難しいと感じておられる方が多いようですね。実際のところサックスの音質感まで考えると難儀ですよね・・。私も未だに試行錯誤の連続でして「こうすれば大丈夫」ということを自信をもってお伝えできません・・・😅
録音技術には、その道のプロ”レコーディングエンジニア”という職業があるわけですから、そう簡単にノウハウを得ることは出来ないんだと自覚しています。しかしながら昨今は、いわゆる宅録される方も多いですし、またどんどん自身で録音することで、演奏を客観的に聞く事も出来ますから、演奏の質の向上にとって、録音は良い事だと思います。

サックス録音で揃える必要のある機材

■パソコン  winなら8万前後~

最近のモデルならノートでもデスクトップでも大丈夫ですね
録音するときはスタジオ借りたりという人は、機動性を重視してノート環境もいいですね。
スペック的には、2世代前からのcore i5  か i7のCPU・メモリは出来たら8G以上 ※OSは64bitバージョンを選択しましょう。あと、できればモニタは2画面デュアル環境にしたほうが、編集・ミックス作業時に便利ですよ。

■USBオーディオインターフェイス 1.5万円位~

STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR22C とか手軽で良いですね。これから機材をそろえる場合は、オーディオインターフェイスには”音楽レコーディング用のバンドルソフト”が付属している場合が多く、スタインバーグのインターフェースには、DAWソフト(後述) Cubase AI  がバンドルされているので、それをPCにインストールすれば録音環境が出来上がります。

■DAW (Digital Audio Workstationの頭文字とった略称) 0円~

まあ、簡単に言うとpcで音楽制作を行うためのソフトウェアの事です。
先ほどのインターフェースのところで述べた、バンドルソフトもそれにあたります。バンドル版はフル機能版の機能制限版となり、ソフトによって様々なグレードが販売されています。最初はバンドル版(機能制限版)で無料から始めても問題ないですよ。

有名どころでは Cubase  とか protools とか studio one とか Ableton Live とか・・・多種多様なソフトがあり、楽曲制作手順や、作成する音楽のジャンル、使い方によって、得意不得意がそれぞれあります。
殆どのソフトはフルスペックバージョンとは別に、数段階の廉価バージョンがあり、機能制限や、ソフトに含まれるプラグイン・ソフトウェア音源数などに差異があります。

STEINBERG  DAWソフトウェア Cubase

■マイク 2万円前後~

簡単にサックスらしい音色で録音するには、AKG・シュア・オーディオテクニカ・・・etc から発売されている、管楽器用のピンマイク(コンデンサーマイク)で録音するといいですよ。
それらは、管楽器の美味しい部分の周波数特性を活かせるようにマイクチューニングされていますので、録って出し でも結構サックスらしい音色で録音できますから、それだけでもやっていけます。


※マイクには大きく分けるとダイナミックマイクとコンデンサーマイクがありますが、その違いについては以下のページに書いてみました。


あと、安くても管楽器録音に最適なのがSHURE SM57ですかね。実売1万円くらいですが扱いやすくいい音で録音できます。

少し欲が出てくると、ちょっと高めのコンデンサーマイクやらリボンマイクやら・・と欲しくなってきますが、ほんとマイクって良いものは高いので、ポンポン買える人は少ないですよね・・。欲がでる原因としては、やはり録音の質感やら空気感といいますか、さらに音質向上させたくなってきます(^-^;

比較的手が出しやすい2万円~のコンデンサーマイクとしては、オーディオテクニカのAT2050やAT4040 ,AKG C214あたりではないでしょうか。好みは分かれますが、C214がキラットした音色で録れるのでアルト・テナーでも使えますし、特にソプラノと相性がいいですね、AT2050・AT4040は飾らない素直な音色で録音できるので、ある意味万能選手ですかね。万能選手はメリットでもありデメリットな時もありますけどね・・。

~10万円(税抜)までのコンデンサーマイク

クリップ式
ステージでも併用するなら
参考価格
2020/6 現在
audio technica PRO35
PRO35
¥15,950 税込
audio technica ATM35
¥38,500 税込
SHURE PGA98H-XLR
¥12,980 税込
AKG


C519M

※電源供給及びXLR出力を行うには
別途パワーサプライが必要

¥27,280 税込
DPA
4099-DC-1-199-S
¥54,780 税込
     
ラージダイアフラム
★宅録マイク専用として使いたい★
参考価格
2020/6 現在
audio technica AT2050
¥25,080 税込
audio technica AT4040
¥32,780 税込
AKG C214
¥36,080 税込
AKG C314
¥40,480 税込
AKG C414 XLS
¥57,981 税込
AKG C414 XLII
¥87,780 税込
NEUMANN TLM102
¥65,780 税込
NEUMANN TLM103
¥107,580 税込
RODE NT1-A
¥27,280 税込
RODE NT2-A
¥48,180 税込

サックス宅録だとこのあたりのマイクで必要十分だと思います、なぜならそれ以上の価格帯のマイクを買っても、今度は録音環境の影響(部屋の防音とか音場の影響)も大きなると思いますね。よくスタジオで使われるマイクの代表格NEUMANN ( ノイマン ) / U87Ai(30万円前後)とかは、とてもいい音で録ることができますが、宅録環境によってはオーバースペックですね。

ちなみにサックス録音だけにラージダイアフラムマイク使うなら、ポップガード(ウインドスクリーン)はなくてもOKです。

↓こういうやつね

ボーカルの録音もゆくゆく考えるなら必要だけどね。ちなみにTML102はウインドスクリーンがマイクに内蔵されているのでボーカル録音時も不要。


マイクを使って、すこし離れたところから左手の中指辺りを狙ってセッティングしたり、色々と方法があります。好みにもよりますが、ベルに直接向けるのは個人的にはお勧めしません。マイクによって指向性が違うので(切り替えられるものも有る)ので、どこがマイクにとっての正面かは確認してくださいね。


海外のユーチューブでは、レコーディングエンジニアの方がサックスの録音について、色々なマイクセッティングノウハウを伝授している動画があるので、探してみると良いと思います!!

わたしも似たような動画ですがあげてみました

■マイクスタンド 2,000円~

サックスだけを録音するなら、ショートブーム式のマイクスタンド が便利ですね。

安いやつだとこういうのとか

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MSST/BLACK ショートブームマイクスタンド

■マイクケーブル 1,000円位~

マイクからオーディオインターフェイスに繋げるために、マイクケーブルが必要になります。宅録であれば3メートルあれば十分だと思います。

CANARE ( カナレ ) / EC03-B(XX) BLACK マイクケーブル 3m

コレとか

■ヘッドフォン 15,000円~

まあ、ヘッドフォンはゆくゆくは悩みの種になること間違え無し😆
録音時の音漏れを回避するために「密閉型」か「イヤモニ型」を選択することをお勧めいたします。
とりあえず買うなら、録音時の聞きやすさも兼ね備えている定番ヘッドフォン、sony  900stですかね、よくスタジオのシーンなどでミュージシャンや声優さんがかけてる赤い線の入ったヘッドフォンね。ただ個人的には耳の老化せいもあるかもしれませんけど、ミックス作業まで900stでするのは結構シンドいですね・・今となっては高音がちと痛い^^;

SONY ( ソニー ) / MDR-CD900ST 密閉型スタジオモニターヘッドホン


追記:後継機「MDR-M1ST」が発売されました。

SONY ( ソニー ) / MDR-M1ST ハイレゾ対応スタジオモニターヘッドホン


ミックス作業時、最初はヘッドフォンでの作業を行ってもいいと思いますけど、多分モニタースピーカーも欲しくなってくるとは思います、しかし、スピーカーを鳴らしながら作業をするのは、作業する場所の音対策も必要になるかとは思います・・。モニタースピーカーはセットで数万円出せば、使いやすいモデルがたくさんあります。


個人的にですが録音時・ミックス時に使いやすいモニターヘッドフォン

audio technica ( オーディオテクニカ ) / ATH-M70x モニターヘッドホン


必要機材をパック販売しているものもあります。

※コロナ禍による影響で、納期に時間がかかったり、品薄となっているようです。


STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR22C Recording Pack オーディオインターフェイス 32bit/192kHz

こちらはマイクケーブルとマイクスタンドは別だけど、全てスタインバーグ製品で、とても人気のあるセットです。わたしも試用させていただきましたが、音質は驚くほど良かったです、


上記以外にも、揃えると便利な機材も沢山ありますが、まずは上記を揃えたら、サックス宅録環境はひとまず完成です!!

まあ、以前にも書きましたが、マイクをはじめ、それぞれの機材には”底なし沼”が存在いたしまして、もっと上え もっと上え となってくると ”泥沼” にどっぷりハマります・・😅

録音環境がそろったら、後々”ミックスダウン”についての悩みが押し寄せてきますので、ですからある意味、これからの長い期間の趣味として、やることに事欠かないと思います😆

誰得情報ですが

私が現在よく使っている機材です。※ソフトウェアは最新版にリンクしておきますね


UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / APOLLO TWIN USB

ループバックには対応していないので、ネットミーティング系には使えないですけどね。
本体に演算部がついているので(UAD-2 DUO CORE DSP)、PCに負担をかけることなくエフェクトがかけられる。ただプラグインがそれぞれ結構高価なので、キャンペーンの都度欲しい物を揃えてきた感じです^^; STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR22C オーディオインターフェイス 32bit/192kHzにもDSP(dspMixFxテクノロジー)が搭載されてまして、お借りして使ってみましたが、結構いい感じでしたよ!!

なお、ZOOMとかでネット会議する際は、別途ZOOM ( ズーム ) / UAC-2 オーディオインターフェイス USB3.0も使っています。こちらも勿論DTM用途にも使えます。※ZOOMとZOOMでややこしいですねww 機材メーカーの方のZOOMは日本のメーカーですよ。


NEUMANN ( ノイマン ) / TLM102 NICKEL コンデンサーマイク

TLM102は廉価版ノイマンという位置づけですが、宅録には使いやすいマイクだと思います。ただ、正直なところオーディオインターフェイスに搭載されているマイクプリによっては、すこし扱いづらく感じる方もいるかもしれません。私はマイクプリはAPOLLOのUADプラグインでNEVE1073を主につかいますが、相性が良いようで結構オフマイクでもバランスよく録音されます。

TLM102にはショックマウントは付属していませんが、ノイマンのものを買うとめっちゃ高いのですけど、ゼンハイザー エラスティックサスペンション Sennheiser MKシリーズ MKS 4 用がそのまま使えます、てか、ノイマンのと同じです。価格は本家ノイマンの半額以下ですよw


CANARE ( カナレ ) / DMC02-B SA BLACK
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CAR500

無駄な部屋の反響を抑えて録音するために、マイクの後ろ側に立てて吸音する役割です。サックスのときにはあまり使わないですけど、ナレーションとか歌録るときには使うことが多いです。


STEINBERG ( スタインバーグ ) / Cubase Pro 10.5 DAWソフトウェア

DTMを始めたころはマックを使っていたので、超初期のLOGIC使ってました。そのあとWINに乗り換えてからもLOGICを使っていましたが、LOGICがアップルに買収されてもてWINから撤退・・・・そかれらは基本的にCUBASEを使っています。


propellerhead REASON

REASONもバージョン4くらいから使っています。シーケンス用途ではなくて、ラック音源用途として今もCUBASEとrewire接続して使っています。refillという音源セットを追加していくことができますし、なんといってもバージョン4とかで買ったrefillも、現行バージョンで問題なく使えます。もともとソフト買った際についている基本のリフィルだけでも結構使えます。


iZotope ( アイゾトープ ) / RX 8 Standard

最近バージョン8になりました、わたしはまだ7のままですけど・・・あらゆるノイズ除去系プラグインが入ってまして、サックス録音時に入ってしまった環境ノイズやらキーノイズやら部屋の無駄な反響なども除去してくれます。AIが搭載されていて、とりあえずAIに任せるだけでも、ある程度のノイズには対応してくれます


PRESONUS ( プレソナス ) / FaderPort DAWコントローラー

フィジカルコントローラーといいますが、私が使っているのは旧バージョンですけど・・DAW上のフェーダーを物理的に動かすことが出来ます。またタッチセンシティブ・モーター・フェーダーですので、トラックを選択すると自動的に物理フェーダーがモーターでDAW上の選択トラックのフェーダー値になります。トラックの音量をwriteする際にとても便利です。


YAMAHA ( ヤマハ ) / HS5 定番スタジオモニター ペア

ひとまわり大きなHS7も試しましたが、うちの作業部屋環境だとHS5の方がそこそこ音量鳴らした時に低音が締まって聞こえた。と、思う^^;
スピーカーケーブルはAPOLLOからはフォン→HS5にはXLR接続です。オーディオインターフェイスとモニタースピーカーとの接続は、必ずスピーカー用のケーブルを使うようにしてくださいね!! いわいるフォンケーブルでも接続できますし音も出ますけど、スピーカー専用ケーブルXLR接続と比べると、多少音がもっさりする感じです。


K&M ( ケーアンドエム ) / 26720 スピーカースタンド
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT6098 (インシュレーター)

低音がスッキリした・・・ような・・・ 実感は薄いけど^^; 


CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / 電源タップ PDS8

電源ノイズから開放されるための電源タップです。


その他プラグイン・ソフトウェア音源とかmidi鍵盤・コントローラは割愛しますね。


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